2022/06/7

AWS Elastic IPアドレス(EIP)とは?特徴や利用方法を紹介します!

 
  

「AWS Elastic IP アドレス(EIP)」とは?

「AWS Elastic IP アドレス(EIP)」とは、固定のパブリックIPアドレス(IPv4)を「Amazon EC2」等のインスタンスに設定できるAWSのサービスです。

例えば、「Amazon EC2」のインターネット向けとしたいインスタンスに「AWS Elastic IP アドレス」を関連付けることで、インターネットからこのインスタンスにアクセスできるようになります。なお2020年12月時点では、「IPv6」のIPアドレスには対応していません。

最初に「AWS Elastic IP アドレス(EIP)」の特徴について解説していきます。

「AWS Elastic IP アドレス(EIP)」の特徴

「AWS Elastic IP アドレス(EIP)」の特徴は、取得した固定のパブリックIPアドレスを専有できる点、そのIPアドレスを他のサービスのインスタンスやネットワークインターフェイスに付け直すこと(再マッピング)ができる点です。

例えば、「Amazon EC2」の「インスタンスA」に関連付けた「AWS Elastic IP アドレス(EIP)」をVPC内の「インスタンスB」に付け替えることが可能です。

つまり「インスタンスA」に障害が発生した場合でも、そのIPアドレスを「インスタンスB」に再マッピングすることにより、サービスを停止することなく継続することが可能です。

「AWS Elastic IP アドレス(EIP)」と他パブリックIPアドレスの違い

「AWS Elastic IP アドレス(EIP)」と他パブリックIPアドレスの違いは、「固定(時間の経過によって変化しない)」である点、再マッピングできない点です。

例えば、「AWS Elastic IP アドレス(EIP)」を取得した際に「197.52.11.23」の場合は、他のインスタンスに再マッピングしても「197.52.11.23」のままで変わりません。

一方、「Amazon EC2」インスタンスを作成時に自動的に付与される「パブリックIPアドレス」は、インスタンスを起動する毎に新しいIPアドレスに変化します。また他のインスタンスに再マッピングすることもできません。

つまり「パブリックIPアドレス」は、無料で利用可能ですが、あくまで一時的に利用できるIPアドレスになります。

そのため、インターネットからアクセスするようなサービスの場合は、固定の「AWS Elastic IP アドレス(EIP)」を利用する必要があります。

「AWS Elastic IP アドレス(EIP)」の関連付け対象サービス

「AWS Elastic IP アドレス(EIP)」を関連付ける対象サービスとしては、「Amazon EC2」のインスタンス、「ネットワークアドレス変換 (NAT)ゲートウェイ」があり、どちらのサービスも外部(インターネット)と通信する目的に利用されます。

例えば、「Amazon EC2」インスタンスは、外部からのアクセス先を固定するために利用されます。

「ネットワークアドレス変換 (NAT)ゲートウェイ」は、外部へアクセスする際のセキュリティ目的として、つまりアクセス先がIP制限を掛けている場合の固定IPアドレスとして利用されます。

「AWS Elastic IP アドレス(EIP)」の関連付けのポイント

「AWS Elastic IP アドレス(EIP)」の関連付けのポイントは、NATゲートウェイに関連付けることで、そのネットワークインターフェースに属するインスタンスを一括して設定できる点です。

つまり「Amazon EC2」インスタンスにEIPアドレスを個別に関連付けて管理するよりも、一括して変更可能とすることで、IPアドレス管理が簡素化されるというメリットがあります。

「AWS Elastic IP アドレス(EIP)」の利用方法

「AWS Elastic IP アドレス(EIP)」の利用方法について、順番に説明していきます。

なお「AWS Elastic IP アドレス(EIP)」は、最初に設定したリージョン専用になるため、他のリージョンに移設して利用できない点に注意が必要です。

利用方法1:EIP アドレスの割り当て

利用方法1として、AWSのパブリック IPv4 アドレスのプールからEIPアドレスの割り当てを行います。

具体例として「Amazon EC2」に関連付ける場合は、EC2コンソールを開き、「Elastic IP」、「Allocate Elastic IP address」の順に選択します。

次に、「スコープ」欄には使用する対象範囲に応じて「VPC」等を選択し、「Public IPv4 address pool (パブリック IPv4 アドレスプール)」で「Amazon’s pool of IP addresses (Amazon の IP アドレスのプール)」等を選択します。

最後に「Allocate」を選択して割り当てを実行します。

利用方法2:EIPアドレスの関連付け

利用方法2として、EC2インスタンスにEIPアドレスを関連付けます。

具体的には「Amazon EC2 コンソール」画面で、関連付けるEIPアドレスを選択します。次に、「Actions (アクション)」、「Associate Elastic IP address (Elastic IP アドレスの関連付け)」を続けて選択します。

ここで「リソースタイプ」には、「Instance(インスタンス)」を選択しておきます。特定のインスタンス名を元に検索することも可能です。

最後に「Associate」を選択して、EIPアドレスの関連付けが終了します。

利用方法3:EIPアドレスの関連付け解除

インスタンスに関連付けたEIPアドレスは、関連付けを解除することも可能です。

関連付けを解除したEIPアドレスは、他のインスタンス等に関連付け直すこともできます。

具体的には、「Amazon EC2 コンソール」にて、関連付けを解除するEIPアドレスを選択した後に「Actions(アクション)」を選択します。

最後に、「Elastic IPアドレスの関連付けの解除」の順に選択した後、「関連付け解除」を選択して解除を行います。

利用方法4:EIPアドレスの解放

利用方法4として、不要になったEIPアドレスは、できるだけ解放するようにします。

なおEIPアドレスを解放する前には、関連付けを解除しておく必要があります。

具体的な方法としては、「Amazon EC2 コンソール」から、解放するEIPアドレスを選択します。次に、「Actions(アクション)」、「Release Elastic IP addresses (Elastic IP アドレスの解放)」と選択した後に、「Release (解放)」を選択して解放を行います。

利用方法5:EIPアドレスの復旧

利用方法5として、EIPアドレスを解放した後でも復旧できる場合があります。

ただし、EIPアドレスが既に他のインスタンス等に割り当て済みの場合は復元できません。また、EIPアドレスに関連付けられたタグを復旧することはできません。

なおEIPアドレスを復元するには、「コマンドラインツール」もしくは「Amazon EC2 API コンソール」のいずれかを使用します。

具体例としては、以下のようなコマンドを実行します。

aws ec2 allocate-address --domain vpc --address 212.10.11.13

利用方法6:EIPアドレスの制限

利用方法6として、AWS1アカウントで、1リージョン当り5個のEIPアドレスまでの制限があります。

理由としては、IPv4のパブリックインターネットアドレスが有限であり、無制限な割り当てを許してしまうとIPアドレスのリソースが枯渇するためです。

サービス運用上の注意点は、インスタンスでの障害発生時に、EIPアドレスを他のインスタンスに再マッピングする目的で「AWS Elastic IP アドレス」を利用することです。

また、それ以外のノード間の通信では、「DNSホスト名」を利用するようにします。

「AWS Elastic IP アドレス(EIP)」の利用料金

「AWS Elastic IP アドレス(EIP)」の利用料金は、一定条件下まで無料で利用できますが、有料になる場合もあります。

具体的には、稼働しているインスタンスと関連付けられているEIPアドレスが1個の場合は無料となります。それ以外に、関連付けされたEC2インスタンスが停止している場合や、稼働しているけれど2個目以降のEIアドレスの場合は有料となります。

実行中のインスタンスにEIPアドレスを1個割り当てて、インターネットからアクセス可能にする利用方法が一般的なので、通常の利用ケースでは無料となることが多くなります。

この無料枠を上手く利用して、インターネット向けのサービスを開発してみてはいかがでしょうか。

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この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニア
未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞

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