この記事の目次
そもそもサーバーエンジニアとは?
日常生活にとってのインフラは電気やガス、水道などを指します。ITの世界にもインフラがあり、ITのインフラはサーバーやネットワークなどを指します。
これらを設計や構築、運用するエンジニアのことをインフラエンジニアといいます。
また、インフラエンジニアにはサーバーとネットワークの両方を扱えるエンジニアもいますが、サーバーに特化したスキルや技術を持つインフラエンジニアのことをサーバーエンジニアといいます。
サーバーエンジニアの仕事内容4つ
サーバーエンジニアはITインフラであるサーバーに関わる仕事をします。
その仕事内容は大きく4つに分けることができます。
もし、サーバーエンジニアを目指すのであれば、その仕事内容を事前に把握しておくようにしましょう。
また、それぞれの仕事内容で求められるスキルや知識なども異なるので、サーバーエンジニアにはどのようなことが求められるのかなど、サーバーエンジニアとしての将来性を高めるためにも仕事内容から事前に判断しておきましょう。
サーバーエンジニアの仕事内容1:構築業務
サーバーエンジニアの主な仕事の1つがサーバーを構築することです。
サーバーの構築では機器を設置したり、配線を行ったり、OSやアプリのインストールと設定などをしてサーバーを稼働できる状態にします。
ただし、サーバーを構築する際には、クライアントの要望に沿ったサーバーを構築する必要があります。
また、クライアントが理解できない通信速度や利用電源容量、コストバランスなどもヒアリングによって適切に設定しておく必要があるでしょう。
サーバーエンジニアの仕事内容2:設計業務
サーバーエンジニアはサーバーの構築を行います。
クライアントの要望に沿ったサーバーを構築するためには、クライアントにヒアリングを行って、まずはどのようなサーバーを構築すべきで、どのような機器や設定をすれば良いかなどの設計を行います。
設計ができれば設計書を作成することができ、その設計書をもとにして構築を行っていきます。
また、設計の段階から、いろいろなトラブルを想定することや、その際の対処法を先に考えておく必要もあるでしょう。
サーバーエンジニアの仕事内容3:運用業務
サーバーエンジニアの仕事は構築ができれば終わりというわけではありません。
サーバーエンジニアは構築したサーバーの運用も行っていきます。
サーバーは使えなくなってしまうと、そのサーバーを使っている企業は業務ができなくなってしまったり、大きな損害を発生させてしまったりする可能性があります。
そのため、サーバーエンジニアは常に快適な状態でサーバーが使えるようにOSやソフトなどをバージョンアップさせたり、不正アクセスやサイバー攻撃などからサーバーを守ったりなどの運用業務を行います。
サーバーエンジニアの仕事内容4:保守業務
どれだけトラブルに備えていても、サーバーが止まってしまうことや、通信が遮断されてしまうなどのトラブルに遭ってしまうことはあります。
そして、サーバーが使えなくなってしまうと、企業は大きな損失を受けてしまう可能性があるでしょう。
そのため、もしサーバーがトラブルに遭った場合は、早くサーバーを復旧させる必要があります。
そのような保守業務もサーバーエンジニアの仕事のうちとなっています。
サーバーエンジニアの将来性5つ
ITインフラであるサーバーは社会では必要不可欠です。
また、サーバーエンジニアはサーバーを扱う仕事であり、高度な知識やスキルを求められることになるので、誰にでもできる仕事ではありません。
そのため、サーバーエンジニアは需要が高いです。
しかし、近年になって、そのサーバーに関する環境に変化が起こってきています。
これからサーバーエンジニアとして仕事を続けていくためには、その環境の変化によって起こる将来性の変化も把握しておく必要があります。
サーバーエンジニアの将来性1:サーバーレス
これまでのサーバーは社内にサーバーの機器を設置する物理サーバーが主流でしたが、近年ではクラウドサーバーを導入する企業が増えてきています。
クラウドサーバーであっても、サーバーエンジニアは必要です。
しかし、システムのアーキテクチャの1種であるサーバーレスの場合はクラウドサーバーの管理をクラウドプロバイダーが担当してくれます。
そのため、サーバーエンジニアの業務が大きく減ってしまいます。
もし、このサーバーレスが大きく普及することになると、サーバーエンジニアの将来性に大きな影響を与えてしまうことになるでしょう。
サーバーエンジニアの将来性2:ステップアップが必要
IT業界の技術は急激に進歩していきます。
そのため、サーバーエンジニアの仕事はその新しい技術や知識について身に着けていかないと、将来性が望めなくなる可能性もあるでしょう。
特に、クラウドサーバーを導入する企業は増えてきているので、クラウドに関するスキルを身に着けることはサーバーエンジニアとしての将来性に大きな影響を与えると考えられます。
また、従来のサーバーエンジニアとしての知識とスキルも向上させていく必要もあるでしょう。
サーバーエンジニアの将来性3:クラウド化
近年ではクラウドサーバーを導入する企業が増えています。
そのため、今後のサーバーエンジニアにはクラウドの知識やスキルを求められるようになるので、それらを身に着けているか、身に着けていないかで、サーバーエンジニアとしての将来性は大きく左右される可能性があるでしょう。
また、サーバーレスもサーバーエンジニアの将来性に影響を与えることになるので、サーバーエンジニアに求められるものが、今後も変わっていく可能性もあります。
サーバーエンジニアの将来性4:人材不足
サーバーエンジニアの仕事はITインフラという社会になくてはならない物に関わる仕事ができるので、やりがいも感じやすいです。
しかし、サーバーエンジニアの仕事をするためには、高度な知識やスキルを身に着ける必要があるため、サーバーエンジニアとなるハードルは低くありません。
また、サーバーエンジニアは激務として有名でもあり、せっかくサーバーエンジニアになっても、転職してしまうという人もいます。
これらが原因でサーバーエンジニアは人材不足となっています。
さらに、クラウドの普及などによって、サーバーエンジニアの将来性に影響が出ていることなどもサーバーエンジニア不足の原因と考えられます。
サーバーエンジニアの将来性5:需要がある
サーバーエンジニアに求められることが変化してきていることで、その将来性も変化しつつあります。
しかし、基本的にIT業界は慢性的な人手不足であり、サーバーエンジニアに対して求められるものは変わっても、サーバーエンジニア自体の需要がなくなることはありません。
そのため、今後はどのような知識やスキルを身に着けていくかによって、サーバーエンジニアの将来性は左右されることになります。
サーバーエンジニアが身に着けておきたいスキル
テクノロジーは凄まじい勢いで進歩しているため、サーバーエンジニアに求められるスキルも時代と共に変わっていきます。
サーバーエンジニアとして将来にわたって活躍するためには、その時々で何が必要なのかを考えながらスキルアップしていく必要があるといえるでしょう。
まず、クラウドファーストの企業が増える中ではクラウドスキルは必須だといえます。
クラウド上でのサーバー構築は必ずできるようにしておきましょう。
また、AWS、Azure、GCPなどの多くの企業で使用されているクラウドプロバイダーの機能も理解しておく必要があります。
次に、Infrastructure As Codeに関するスキルです。
Infrastructure As Codeを用いることによって、効率的なサーバー構築を実現できます。
コンテナオーケストレーションも学んでおきたいところで、これを利用することで複数のコンテナを一元管理することが可能です。
今後は、コンテナオーケストレーションのスキルがさらに重要視されるようになるといえるでしょう。
サーバーエンジニアは、サーバーそのものに精通しているだけでは不十分だといえます。
クラウド、Infrastructure As Code、コンテナオーケストレーションの3つのスキルを身に着けておくことで、必要とされる人材になれるのではないでしょうか。
サーバーエンジニアとしてのキャリアパス
サーバーエンジニアのキャリアパスとしては、主にプロジェクトマネージャー、インフラエンジニア、クラウドエンジニア、運用管理・運用設計エンジニア、ITコンサルタント・ITアーキテクトなどが考えられます。
プロジェクト管理を行えるサーバーエンジニアは非常に希少なため、プロジェクトマネージャーとしてのキャリアパスは将来性が高いといえます。
インフラエンジニアはネットワークやセキュリティ、データベースなど幅広く対応できるため、つぶしが効きやすいのが特徴です。
クラウドは今後も伸びていく市場であるため、クラウドエンジニアも安泰だといえるでしょう。
運用管理・運用設計エンジニアも将来なくなる心配のない職業の1つで、市場からは求め続けられるといえます。
ITコンサルタントやITアーキテクトも考えられるキャリアパスで、求められるレベルは非常に高いものの、チャレンジするだけの価値はあるといえるでしょう。
このように、サーバーエンジニアには多くのキャリアパスがあります。
サーバーエンジニアとして経験を積みながら、将来設計も考えてみてはいかがでしょうか。
サーバーエンジニアにおすすめの資格3選
今後のサーバーエンジニアの将来性は、どのような知識や技術を身に着けていくかによって左右されると考えられます。
そのため、サーバーエンジニアとしての知識や技術を身に着けていくためにも、資格の取得を目指しましょう。
資格を取得しておくことで、キャリアアップにつながったり、サーバーエンジニアへの転職が有利になったりなど、将来性を高めることができます。
ただし、資格にはいろいろな種類があるので、資格取得を目指すのであれば、サーバーエンジニアの将来性を高めてくれるものを選ぶ必要があります。
そのサーバーエンジニアの将来性を高めてくれる資格はいくつかあります。
サーバーエンジニアの資格1:MCP
MCPとは、マイクロソフト認定資格プログラムの略で、マイクロソフトの製品に関する知識やスキルを認定する資格です。
MCPは基本的に情報システムに関するエンジニアが取得する資格ではありますが、サーバーエンジニアにとっても取得しておいた方が良い資格となっています。
ただし、この資格は製品やバージョンなどによって細かく分けられているので、自身のサーバーエンジニアに関わる内容や、将来性に影響を与えるものを見極めて取得する必要があります。
サーバーエンジニアの資格2:LPIC
サーバーエンジニアとして取得しておくべき代表的な資格にLPICがあります。
LPICはLinuxに関する知識や技術を認定するための資格となります。
また、LPICの試験は難易度が3つに分かれていて、最高難易度のレベル3を取得すれば、高度な知識とスキルを持ったサーバーエンジニアであるという証明になります。
Linuxの知識やスキルはサーバーエンジニアとして必須となるので、LPICはサーバーエンジニアとして将来性を左右する資格というよりも、必須となる資格でしょう。
サーバーエンジニアの資格3:基本情報技術者試験
基本情報技術者試験はIPA(情報処理推進機構)が実施している情報処理技術者試験の国家資格の1つです。
基本情報技術者試験では、システムの設計開発、保守や運用などの知識やスキルなどが出題され、国家資格のため、その認知度は高く、情報処理に関する知識やスキルを証明するには効果的な資格となっています。
サーバーエンジニアとしての将来性を高めていくためにも、幅広いITの知識やスキルは必要となるので、基本情報技術者試験も取得しておくべき資格の1つです。
スキルを磨いて「求められる」サーバーエンジニアを目指そう
サーバーエンジニアとして市場価値を高めていくためには、常にスキルを磨き続けることが大切です。
そして、十分なスキルが身に着けばその先のキャリアパスも広がってきます。
ぜひ積極的にスキルを学んで、求められるサーバーエンジニアを目指してください。
この記事の監修者・著者

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未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞
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