2021/03/25

RDBサービス「Amazon Aurora」とは|機能や料金体系・ユースケースもご紹介

 
  

AWS Auroraとは?

AWS Auroraとは、Amazonのクラウド向けRDBサービスです。MySQL、PostgreSQLの2つのRDBと互換性があります。また、MySQLとPostgreSQLと比べて、スループットが3〜5倍とAWS公式ページでは謳われています。 AWS RDSと別サービスと誤って理解されることが多いですが、正確には AWS RDSの中で選択できるデータベースエンジンの1つがAmazon Auroraということになります。 よって、以降はAWS Auroraと呼ばず、Amazon Auroraと記載することとします。AWS RDSで利用できる他のデータベースエンジンには、MySQL、PostgreSQL、MariaDB、ORACLE、Microsoft SQL Serverなどがあります。 本記事では、Amazon Auroraの特徴について簡単に解説した上で、料金体系・Auroraを使うべきかどうかの判断基準について解説します。

Amazon Auroraの特徴

・高いスループット 標準のMySQL、PostgreSQLと比べて、それぞれ最大5倍、最大3倍高速であるとAWS公式ページで謳われています。この数値については、様々な企業・個人が検証しており、概ね正しい性能情報として捉えて問題ないでしょう。詳細は参考ページをご覧ください。 ・高いセキュリティ性 データベース保護のために、AWS VPCによるネットワーク分離、AWS Key Management Serviceの制御キーによる暗号化など、他RDBにはない各種セキュリティが適用されています。 ・アベイラビリティーゾーンを利用した高可用性と耐久性 Amazon Auroraは、アベイラビリティーゾーン3つに6個のレプリケーションを作成し、それらを全てAmazon S3にバックアップします。これにより、高い可用性・耐久性を実現しています。またはこれにより、Multi-AZ構成が不要と出来るケースもあり、料金節約にも繋がる可能性が高いのです。詳細は後述します。 ・ストレージオートスケーリング Auroraではストレージ容量を気にする必要がなく、パフォーマンスに影響を与えずに10GBから最大64TBまで動的に容量を変更します。 ・MySQL および PostgreSQL との互換性 既にMySQLやPostgreSQLを利用している方は、インポート/エクスポートツールやスナップショット使えば、簡単にAmazon Aurora に移行できます。

Amazon Auroraの料金体系

Amazon Auroraの料金はデータベースインスタンス稼働に発生する料金と、ストレージ量およびI/O数に応じた料金を足し合わせたものになります。 他のRDBと比較して、I/O数に応じた料金が存在することに注意しましょう。また、バックアップやバックトラックといった機能を用いる場合は別料金が発生します。 それでは、各機能を利用する際に発生するコスト詳細について見ていきましょう。なお、以降記載される料金については、執筆時点における東京リージョンの値になることを予めご留意ください。

データベースインスタンス料金

AWS EC2の課金と同じで、データベースインスタンスを稼働した時間分、料金が発生します。 MySQLバージョンかPostgreSQLバージョンのどちらを選ぶかに依って金額は変わりますが、大きな差異はありません。db.t3.mediumインスタンスの場合、MySQL、PostgreSQLの金額は同じで、0.125USD(時間)になります。

データベースストレージおよびIOに応じた従量課金

Amazon Auroraデータベースで使用するストレージには、GBあたり月額料金で課金され、また、II/Oには100万件のリクエストごとに課金されます。 料金はAmazon Auroraデータベースが消費したストレージおよびI/Oの分のみ発生し、事前にプロビジョニングする必要はありません。料金詳細は参考ページをご覧ください。 Auroraはストレージが動的に変わるため、月間のストレージ最大値 * 0.12USDが月額料金になります。ストレージオートスケーリングの詳細は、参考ページを参照ください。

バックアップストレージ料金

Amazon Auroraは、初期設定では7日間のバックアップを自動で行います。バックアップ期間は可変ですが、1ヶ月あたり0.023USD/GBの料金が発生します。 例えば、100GBデータを格納するデータベースである場合、0.023*100*7 = 16.1USDの料金が発生します。予算に合わせて、バックアップ期間を調整するようにしましょう。

その他料金

上記まではAmazon Auroraを利用する際に発生する一般的な料金ですが、Amazon Auroraのその他機能を使うと追加で料金が発生します。 以下、それら機能の利用料金について記載します。
  • バックトラック:バックアップから復元する必要なく、即座に任意の時刻時点に巻き戻すための機能になります。料金は0.014USD/変更レコード・100万件になります。何時間前まで巻き戻せるようにするか、によって料金は変わりますので、詳細は参考ページを参照ください。
  • Snapshot Export:Amazon S3にParquet 形式でデータをエクスポートする機能です。スナップショットサイズ 1GBあたりの料金は0.012USDになります。
  • データ転送:同一アベイラビリティーゾーン間でのデータ転送は無料ですが、そうでない場合は転送量に応じた料金が発生します。詳細は参考ページを参照ください。

Amazon Auroraを採用しない方が良いケースについて

Amazon Auroraの料金体系は分かったものの、Amazon Auroraを使うべきか、他のデータベースエンジンを使うべきか、判断は難しいところでしょう。 結論から書きますと、性能・トータルコスト踏まえ、基本的にはAuroraを使うことをおすすめします。 Amazon Auroraは、スループットや可用性が高い上に、他のデータベースエンジンにはない便利な機能が多く揃っているからです。 ただし、場合によっては他データベースエンジンを選択した方が良いケースがあるので、以降解説していきます。

運用コストを気にするケース

Amazon AuroraはI/Oリクエスト数に応じた従量課金があり、インスタンス料金も他データベースエンジンの約1.2倍となるため、なるべく安く済ませたいという方は他データベースエンジンを検討するのが得策です。 ただし、他データベースエンジンをMulti-AZ構成で組まれようとしている方は、今一度お待ちください。 Amazon AuroraをSingle-AZで設定したとしても、そのストレージ部分は3つのAZに6つのコピーが作成されるのです。 従って、Amazon AuroraをSingle-AZで運用するならば、Multi-AZの他データベースエンジンより格安になり、かつ、同等の耐久性を持つことになるのです。 もちろん、Sigle-AZのAmazon Auroraにも欠点はあり、それはフェイルオーバーが10分もかかるという点です。この点を気にしないのであれば、コストを第一優先する方においても、Amazon Auroraを選択すべきと言えるでしょう。

データベースエンジン・インスタンスタイプの互換性がないケース

Amazon Auroraが互換性を持つのはPostgreSQLとMySQLの2つのみであるため、他のデータベースエンジンを使いたい方はAuroraを諦めるしかありません。 また、PostgreSQL、MySQLを使っていたとしても、特定のバージョンを使いたい場合は、Auroraが互換性を持つかどうかを確認する必要があります。 また、Amazon Auroraで使えるインスタンスタイプは他のデータベースエンジンより種類が少ないため、希望するインスタンスタイプがない場合はAuroraを諦める必要があるでしょう。

まとめ

Amazon Auroraの機能・料金体系・利用できる/利用できないケースについて解説をしました。 PostgreSQL、MySQLを利用している方は、基本的にはAmazon Auroraの利用をおすすめしますが、トータルコスト、Signle-AZ構成の際の長い復旧時間というデメリットを踏まえて検討しましょう。 なお、残念ながらAmazon Auroraには無料利用枠が存在しないため、お試しで使う際にはくれぐれも請求金額にはお気をつけください。 いずれにせよ、Amazon Auroraの設計は業界でも注目されており、そのパフォーマンスも折り紙付です。AWSを利用されている方は、一度は是非お試しください。]]>

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この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニア
未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞

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