AWS EC2インスタンスの削除方法

本記事では、不要になったAWS EC2インスタンスを削除する手順を紹介します。
不要になったインスタンスは、インスタンスの状態を「インスタンスの終了」に変更することによって削除できます。
また、途中ではAWSで使用する機能に関する語句が登場します。知っておくと便利なものについては、補足として記しています。紹介する手順と合わせて、抑えておきましょう。
EC2インスタンスとは
EC2インスタンスとは、AWSが提供するクラウドサービスのひとつです。
EC2はElastic Compute Cloudの略で、インスタンスはその単位のことを指します。EC2インスタンスは仮想サーバーです。Elasticは「柔軟な」という意味です。その名前の通り、EC2インスタンスは柔軟に運用することができます。
例えば、仮想サーバーのオペレーティングシステムは、Amazon Linux、Windows Server、Cent OSなど用途に合わせて選択することができます。プロセッサーの性能やメモリー、ストレージの容量も自分で選択することができます。
従量課金制となっており、必要な量だけを使用することでコストを抑えて効率良く運用できる点が特徴です。
EC2インスタンスの削除とは
使用しているEC2インスタンスを終了し、インスタンス内の全てのデータとインスタンスそのものが削除されます。
一度終了したインスタンスには再びアクセスすることができなくなります。そのため、誤って必要なものを削除しないようにご注意ください。
一時的にインスタンスを停止したい場合は、後述の手順に従ってインスタンスを停止状態に変更しましょう。
EC2インスタンス 削除の手順
ここからはEC2インスタンスを削除する手順を紹介します。
なお、EC2インスタンスの管理画面では「削除」という表現はされておらず、「終了」と表示されています。
1.AWSマネジメントコンソールにサインイン
こちらから、AWSマネジメントコンソールにサインインします。
※IAMユーザーでサインインした場合、本処置は実行できないことがあります。この場合、操作する権限がない旨を知らせるメッセージが表示されます。
【補足】ルートユーザーとIAMユーザー
AWSにおけるルートユーザーとIAMユーザーについて紹介します。両者の違いについて、改めて確認しておきましょう。
ルートユーザー
ルートユーザーは最初に作成したメールアドレス+パスワードで構成されるユーザーのことです。AWSにおける全ての操作が可能となっています。サインイン画面では、「ルートユーザー」を選択してサインインします。
IAMユーザー
IAMはIdentity and Access Managementの略です。無料で使用できます。IAMユーザーは「認証とアクセスが管理されたユーザー」です。
管理者はIAMユーザーにAWSのサービスやリソースへのアクセス制限を設定することができます。そのため、IAMユーザーでサインインした場合は作業できる範囲に制限が掛かっている可能性があります。
許可されていない作業を実施しようとした場合、操作する権限がない旨を知らせる警告のメッセージが表示されます。
1つのルートユーザーを複数人で使用して共同作業する場合にはIAMユーザーを複数作成し、それぞれの役割に合わせて権限を付与することが有効です。
2.EC2を検索
サインイン後に表示される画面の上部に「サービスを検索する」という項目があります。この検索フォームに「EC2」と入力します。
入力すると、入力した語句が含まれるリストが表示されます。その中にある「EC2 クラウド内の仮想サーバー」をクリックします。すると、EC2ダッシュボードが表示されます。
3.EC2ダッシュボードを開く
EC2ダッシュボードにはいくつかメニューがあります。
リソース項目の中に書かれている「1 実行中のインスタンス」をクリックします。その後、現在作成されているインスタンスの一覧が表示されます。
4.インスタンスを終了する
今回停止したいインスタンスの左側にあるチェックボックスをクリックします。正しくチェックできるとチェックボックスが青くなります。
その後、上部にある「アクション」と書かれたタブをクリックします。プルダウン式でメニューが表示されます。こちらは「インスタンスの状態」→「終了」の順にクリックします。
5.Elastic IPアドレスを解放する
「インスタンスの終了」と書かれた警告画面が表示されます。今回終了したいインスタンスに結び付けられているElastic IPアドレスがある場合、表示された画面の「アタッチされたElastic IP を解放する」をクリックします。「Elastic IPの解放」の左側のチェックボックスにチェックを入れます。
※終了したインスタンスにElastic IPを関連付けていると課金されます。その後「はい、終了する」をクリックします。
【補足】Elastic IPアドレスとは
Elastic IPアドレスとは、EC2インスタンスに紐付けることができるIPv4アドレスのことです。
Elastic IPアドレスは、作成したAWSのアカウントに割り当てられます。一度Elastic IPアドレスを作成した場合、解放するまではアカウントに割り当てられた状態となります。従って、Elastic IPアドレスを解放しない限り、EC2インスタンスを削除してもユーザーのAWSアカウントに割り当てられたままとなります。
EC2インスタンスが無い状態でElastic IPアドレスだけが残っている場合、前述の通り課金の対象となります。
6.シャットダウン開始
選択したインスタンスのシャットダウンが開始します。
インスタンスの一覧表示を見ると、対象のインスタンスの「インスタンスの状態」が「shutting-down」に変わります。この状態で暫く待機します。
7.インスタンスが終了する
暫く待つと対象のインスタンスの「インスタンスの状態」が「terminated」に変わります。ここまでの作業でEC2インスタンスの終了は完了です。
インスタンスの一覧には残っていますが、数日経つと自動で削除されます。「インスタンスの状態」が「terminated」になっていれば問題ありません。
EC2インスタンスの停止方法
EC2インスタンスを一時的に停止する場合、「削除の手順」の4番目の部分で「インスタンスの状態」→「停止」の順にクリックします。インスタンスの一覧表示を見ると、インスタンスの状態がstoppedになっています。
再開させる場合は、「インスタンスの状態」→「開始」の順にクリックします。
停止-休止とは
「インスタンスの状態」の中には、「停止-休止」というメニューがあります。こちらはパソコンにおける「スリープ状態」と同じようなイメージです。
仮想サーバーのメモリーに存在するデータをそのまま保持してインスタンスを停止します。
再開すると、メモリー上に存在するデータが再び表示されます。
まとめ

今回はAWSにおけるEC2インスタンスを削除する方法を紹介しました。
不要になったインスタンスは、インスタンスの状態を「インスタンスの終了」に変更することによって削除できます。
ただし、
一度終了したインスタンスは設定やデータが全て消え、復元することができませんので注意が必要です。一時的にEC2インスタンスを停止した場合は、終了ではなく「停止」させるようにしましょう。
終了したインスタンスはインスタンスの状態が「terminated」に変化して一覧上に表示されますが、数日経つと自動で削除されます。不要なEC2インスタンスを削除することで、より効率的な管理ができるようになります。是非、活用していきましょう。]]>
この記事の監修者・著者
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株式会社オープンアップITエンジニア
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未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞