なぜSalesforceとOffice365を連携する必要があるのか?
労働人口減少や働き方改革を実現するにはシステムとシステムを連携することにより二重入力をなくしたり入力ミスと戻り作業を減らすなどの業務効率化が不可欠と言われているからです。
昨今、労働人口減少や働き方改革により、社会全体として業務効率化はもはや誰もが解決しなければならない課題となっています。それは当然Salesforceユーザーにもあてはまることです。
本記事にて、多くの企業で利用されているであろうOffice365とSalesforceの連携についての3つの方法と何ができるのかを理解し、業務効率化に役立てていただければと思います。
SalesforceとOffice365の連携で何ができる?
多くのSalesforceユーザーがSalesforceとOffice365(や他のサービス)を連携するという要望やアイデアをお持ちかと思いますが最初にぶつかる疑問は「具体的に何ができるの?」だと思います。
SalesforceとOffice365を連携することで、後述する”連携の3つの方法”のそれぞれの方法により違いはありますが、メール・カレンダー・連絡先を連携できます。
また連携の方向としては、双方向同期・一方方向の同期(Salesforce→Office365)・一方方向の同期(Salesforce←Office365)のいずれかになります。
SalesforceとOffice365を連携する3つの方法
SalesforceとOffice365を連携する方法の代表的なものとして①Lightning Sync for Office365②Einstein 活動キャプチャ③OutLookインテグレーションが挙げられます。
但し、下記の引用のとおり今後は「②Einstein 活動キャプチャ」がメインになっていくと思われますのでご留意ください。
重要 Winter ’21 以降、新しい Salesforce ユーザは Lightning Sync を使用できません。Einstein 活動キャプチャが長期的に Microsoft® または Google アプリケーションと Salesforce 間の取引先責任者と行動の同期ソリューションとなります。Einstein 活動キャプチャでは、同期以外の生産性を向上させる機能を利用できます。さらに、メールインテグレーションのニーズを満たすエンタープライズソリューションを提供するため、機能と可用性が引き続き強化されています。最新の機能強化と使用可能になる時期についての詳細は、Salesforce リリースノートを参照してください。https://help.salesforce.com/articleView?id=sf.exchange_sy…
Lightning Sync for Office365のご紹介
最初に「Lightning Sync for Office365」を利用すると、どんなことができるようになるのでしょうか。
また、利用する際の制限や注意すべき点についてもご紹介していきます。
Lightning Syncでできること
Lightning Syncを使用すると「SalesforceのカレンダーとOffice365のカレンダーの同期」と「Salesforceの取引先責任者とOffice365の連絡先の同期」ができるようになります。
※メールの連携(=Office365で受信したメールをSalesforceのレコードに関連付けること)はできませんのでご注意ください。メールを連携する場合は後述のEinstein活動キャプチャまたはOutlookインテグレーションという方法があります。
Lightning Syncを使うにはどんな条件や制限があるのか
Lightning Syncを使うには①Salesforceに関する要件と②Office365側の要件を満たす必要があります。
まずは①Salesforceに関する要件ですが、こちらはSalesforce ClassicとLightning Experienceの両方を使えます。
使用可能なエディションは以下のとおりとなっていますが、ご利用の際は必ずSalesforceの公式ドキュメントをご確認ください。
・Professional Edition
・Enterprise Edition
・Performance Edition
・Unlimited Edition
・Developer Edition (Sales Cloud、Service Cloud、Lightning Platform 付属)
次にOffice365側の要件についてですが、こちらは接続方法によりかわってきます。Exchange サービスアカウントで接続する場合は以下の1)~3)のいずれかが必要になります。
1)Exchange Online を含む Office 365® Enterprise Edition
2)Exchange Server 2016
3)Exchange Server 2013 Service Pack 1
※1)については「 (2021 年に Microsoft が基本認証を廃止するまでサポート)」との条件もありますのでご注意ください。
またOAuth 2.0 for Exchangeでの接続の場合は、Exchange Online を含む Office 365® Enterprise Editionが必要になります。
Einstein 活動キャプチャのご紹介
次に「Einstein 活動キャプチャ」を利用すると、どんなことができるようになるのでしょうか。
また、利用する際の制限や注意すべき点についても一緒にご紹介していきます。
Einstein 活動キャプチャで何ができる?
Einstein 活動キャプチャを使用すると①SalesforceのカレンダーとOffice365のカレンダーの同期②Salesforceの取引先責任者とOffice365の連絡先の同期③メールをSalesforceレコードの活動タイムラインに自動追加の3つができるようになります。
また、除外メールアドレスを指定することで、特定のユーザーの行動の同期やメールのタイムラインへ追加しないという設定もできます。
他にもEinstein活動キャプチャで自動的に登録されたカレンダーや、活動タイムラインに関する共有方法(すべてのユーザーで共有、Chatterグループで共有、共有しない(自分のみ)など)を選択することもできます。
キャプチャされた活動について注意すべき点とは?
キャプチャされた活動は他のオブジェクトのデータと異なり一定の保持期間が経過するとアーカイブされる点にご注意ください。
セールスクラウドにおいて保持期間は初期設定では6か月となっており、セールスクラウドアインシュタインの場合、保持期間は24か月となっています。こちらもご利用の際は必ずSalesforceの公式ドキュメントをご確認ください。
出典:salesforce|Sales Cloud Einstein
参照:https://help.salesforce.com/articleView?id=sf.aac_data_retention.htm&type=5
Einstein 活動キャプチャを使うにはどんな条件や制限があるのか
Einstein 活動キャプチャを使うにはLightning Syncの時と同様に①Salesforceに関する要件と②Office365側の要件を満たす必要があります。
①Salesforceに関する要件ですが、こちらはLightning ExperienceのみとなっていますのでClassicでは使えないことにご注意ください。
使用可能なエディションは以下のとおりとなっていますが、ご利用の際は必ずSalesforceの公式ドキュメントをご確認ください。
・Essentials Edition
・Professional Edition
・Enterprise Edition
・Performance Edition
・Unlimited Edition
②Office365側の要件については、Office365のOnlineExchangeまたはExchangeServerが必要です。こちらもご利用の際は必ずSalesforceの公式ドキュメントをご確認ください。
OutLookインテグレーションのご紹介
最後に「OutLookインテグレーション」を利用すると、どんなことができるようになるのでしょうか。
また、利用する際の制限や注意すべき点についても一緒にご紹介していきます。
OutLookインテグレーションで何ができる?
OutLookインテグレーションを使用すると①SalesforceのカレンダーとOffice365のカレンダーの手動同期②Salesforceの取引先責任者とOffice365の連絡先の手動同期③メールをSalesforceレコードの活動タイムラインに手動で追加ができるようになります。
OutLookインテグレーションは他の2つと異なりいずれの連携も「手動」となりますのでご注意ください。
難しくないSalesforceとOffice365の連携で業務効率化!
SalesforceとOffice365に限らず何かのサービスとサービスを連携させることはなんとなく難しそうという印象を持たれがちです。
しかしながらこれまで見てきたようにSalesforceとOffice365の連携の場合は目的に合わせて方法を選べ、各方法の事例や設定方法もインターネットなどで多く掲載されていますのでぜひ試して業務を効率化して時間を有効に使いましょう。
なおこれまで見てきたように一言で「SalesforceとOffice365の連携」といっても方法は複数ありますが、Salesforceの今後の方向性としては公式ドキュメントにもありますようにEinstein活動キャプチャに注力していくようです。
これからSalesforceとOffice365の連携機能を実装するのであればEinstein活動キャプチャを選択したほうがよいでしょう]]>