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Salesforceにおける承認プロセスとは?

承認プロセスの概要
Salesforceにおける承認プロセスとは、組織における承認に係る一連の手続きをオンライン化(自動化)することができる機能のことです。 承認プロセスを使用すると、例えば、「休暇申請にマネージャーの承認が必要だが、マネージャーが多忙でなかなか承認がもらえなくて困る」といった問題を解決することができます。承認プロセスの実際の使用例
それでは実際に、上記のケース=「休暇申請の承認」において承認プロセスを使用してみた場合、申請から承認までの実際の手順および流れは一体どのようなものになるでしょうか?- Salesforceのレコード上で「休暇取得の承認」を申請する
- マネージャー宛に自動でメールが送信される
- マネージャーが承認(却下)すると、その旨がレコードに表示されるとともに、メールが送信される
承認プロセスにおける5つの「プロセス」
承認プロセスを使用するためには、上記の活用例のように手続き内の手順である「プロセス」という項目を設定する必要があります。承認プロセスにおいては、次の5つのプロセスが定義されています。- 承認ステップ (例:直属マネージャー → CEO)
- 申請
- 最終承認
- 最終却下
- 取り消し
「自動アクション」の種類
「自動アクション」とは、文字通り、承認プロセス内において自動化したいアクションのことです。各プロセスにおいて、次のような種類の自動アクションを設定することができます。 ・ToDoの作成 指定したユーザーにToDoを割り当てます。件名、状況、優先度、期日の指定ができます。 ・メールアラートの送信 指定したメールテンプレートを用いて、指定した受信者宛にメールを送信します。設定方法は次の通りです。 【設定】→【クイック検索】ボックスに【メールアラート】と入力、【メールアラート】を選択したあとに、詳細を設定することができます。 ・項目の自動更新 Salesforceのレコード上の、選択した項目の値を変更します。固定値を設定することも、数式を作成して設定することも可能です。設定方法は次の通りです。 【設定】→【更新】ボックスに【項目自動更新】と入力、【項目自動更新】を選択したあとに詳細を設定することができます。 ・アウトバウンドメッセージの送信 外部サービスなどの指定したエンドポイントにメッセージを送信します。ユーザー名とデータを指定してメッセージに含めることも可能です。【設定】から設定できます。承認プロセスの作成手順

- メールテンプレートの作成
- 承認プロセスの作成
- 承認プロセスの有効化
- 自動アクションの追加
1.メールテンプレートの作成
承認プロセスを作成する際は、最初に、自動アクションで送信されるメールのテンプレートを作成しておく必要があります。メールの内容をテンプレ化しておくことで、手続きのたびにメールを作成する手間が省かれます。作成方法は次の通りです。- 【設定】→【クイック検索】ボックスに「テンプレート」と入力→【Classicメールテンプレート】を選択
- 【新規テンプレート】をクリック
- テンプレートの種類で【テキスト】を選択、【次へ】をクリック
- メールテンプレートを設定(テンプレート名、メール本文などを設定)
- 【保存】をクリック
2.承認プロセスの作成
メールテンプレートが作成できたら、つづいて承認プロセスを作成していきます。作成には設定ウィザードを使用し、申請者や承認者を指定しながら進めていきます。手順は次の通りです。- 【設定】→【クイック検索ボックス】に「承認」と入力→【承認プロセス】を選択
- 【承認プロセスを管理するオブジェクト】で【商談】を選択
- 【承認プロセスの新規作成】【ジャンプスタートウィ ザードを使用】(承認ステップが複雑で、特定のステップの定義を要する場合は【標準ウィザード】)をクリック。
- 承認プロセスを設定
- 承認プロセスを保存
- 【承認プロセスの詳細ページの参照】をクリック
- 【最終承認時のアクション】で【新規アクションの追加】→【項目自動更新】をクリックし項目を設定
- 【保存】をクリック
- 【最終却下時のアクション】を設定
- 【保存】をクリック
3.承認プロセスの有効化
承認プロセスが作成されましたが、承認プロセスは作成しただけでは起動されない(=使用できない)ため、画面上部にある【有効化】ボタンをクリックして、機能を有効にする必要があります。4.自動アクションの追加
承認プロセスの作成の最後に、各プロセスに必要な自動アクションを追加していきます。 自動アクションは、「承認ステップ」「申請」「最終承認」「最終却下」「取り消し」の中から追加しますが、一つの承認プロセスのなかで4つまで使用することができます。承認プロセスを使用する前に確認しておきたいこと

1.オブジェクトについて
承認プロセスを使用するためのオブジェクトを作成する際は、次の二通りの方法があります。 ①オブジェクトごとに作成する ②一つのオブジェクトから条件分岐させて作成する それぞれにメリットとデメリットがあります。 ①オブジェクトごとに作成する <メリット> ・オブジェクトごとに名前がつけられるので、分かりやすい <デメリット> ・承認プロセスの内容をコピーできないので、オブジェクトごとに設定する必要がある ②一つのオブジェクトから条件分岐させて作成する <メリット> ・一つのオブジェクトから条件によって分岐させて作成することができるので、オブジェクト数の節約になる ・承認プロセスのコピーができる <デメリット> ・申請内容によって管理項目が様々であったり、カスタム項目が不足する場合がある 例えば、承認プロセスに共通点がない場合はオブジェクトごとに作成し、承認プロセスが似ている場合は条件分岐で作成、といった具合に使い分けるとよいでしょう。2.承認者と代理承認者の指定
承認者には、直属の上司に申請が割り当てられるようマネージャーを選択する場合が一般的です。また、承認者が不在の場合に代理で承認できるユーザーを決めておくこともできます。3.申請プロセスを開始する条件
申請開始条件とは、承認プロセスを開始する際に申請しようとしたそのレコードが満たしているべき条件のことです。 例えば、「経費が1万円以上の場合のみ承認が必要」といった場合に申請開始条件に使用できる項目は次の3つになります。 ・対象のオブジェクト ・対象の親オブジェクト ・現在のユーザーオブジェクト レコードが条件を満たしていない場合はエラーとなり、申請が実行できません。4.申請者の制限について
申請内容に応じて、申請可能なユーザーの属性等をあらかじめ設定しておきたい場合があるでしょう。例えば、「営業部スタッフのみ申請可」といったように部署等の属性で申請者を制限したい場合は、ロールや公開グループを利用すると便利です。承認プロセスのモバイル環境での使用

承認プロセスを活用しよう

この記事の監修者・著者

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未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞