2021/02/1

AWSの料金を試算する時の3つのポイント!料金目安の例もケース別に紹介

 
  

AWSの料金体系は複雑

Amazonが提供しているAWS(Amazon Web Service)を導入するかどうか検討するためには、料金目安を正しく見積もる必要があります。 しかしAWS には、2020年9月時点で175種類ものサービスがある上に、状況によって料金が異なるため「料金体系が複雑で分かりにくい」という方も多いです。 ここでは、そんな複雑で分かりにくいAWSの料金について分かり易く解説していきます。

AWSは従量性料金

AWSの料金は従量制で、使用した分だけ払うシステムとなっています。少ない使用量ならば支払い額は少なくなり、多く使用すれば支払い額も高くなるため、月ごとに請求が変動します。 水道料金や電気代などの光熱費をイメージして頂ければ分かりやすいでしょう。例えば「Amazon EC2」の場合は、利用した時間に応じて、1秒単位で料金が計算されます。

契約するサービスによっても料金は変動する

AWS には、175種類以上のサービスがあります。AWSは、個々のサービスごとに料金が設定されているため、どんなサービスを利用するかで料金が異なります。 例えば、Amazon EC2の場合はインスタンスのタイプ、サーバーの台数、使用したストレージ容量によって料金が決まります。そしてAmazon S3の場合は、使用したストレージ容量、読み込み回数、書き込み回数によって料金が決まります。

AWSの料金を試算する時の3つのポイント

AWSの料金がどのようにして決まるのか、まだAWSに関して詳しくないという方に向けて解説していきます。 詳細な料金はサービスごとに異なりますが、主に3つの要素でAWSの料金は決まります。その3つというのは、コンピューティング、ストレージ、データ転送です。 それでは1つ1つ説明していきます。

AWSの料金を試算する時のポイント1:コンピューティング

1つ目のポイントは、コンピューティングです。コンピューティングとは、サーバーの構成を表し、サーバーの台数やスペックのことを指します。 例えば、Amazon EC2の場合は、メモリ、CPU、ストレージ、そしてネットワークキャパシティーの組み合わせによりインスタンスのタイプが分類されており、インスタンスのタイプごとに料金が変わります。

AWSの料金を試算する時のポイント2:ストレージ

2つ目のポイントは、ストレージです。サーバーを使用する際に使用したストレージ容量に応じ、課金されます。 例えばAmazon S3の場合、最初の 50 TB/月:0.025USD/GB、次の 450 TB/月:0.024USD/GB、そして500 TB/月以上:0.023USD/GBといったように料金設定されています。

AWSの料金を試算する時のポイント3:データ転送

3つ目のポイントは、データ転送です。AWS内の、同じデータセンター内でのデータ転送、そしてAWSへと向かうデータ転送に料金はかかりません。しかし、AWSからインターネットへとデータを転送する量に応じ、料金が発生します。 複数のサービスを使った場合に、全体で合算された料金が毎月の明細書に「AWSデータ転送」として表示されます。

AWSの料金目安の例5選

AWSにかかる料金は、使用するサービスの種類やコンピューティング、ストレージの量、データの転送量によって変わることについて説明しました。 ここからは、大体の目安が知りたいという方に向けて、AWSの料金目安の例を5つ挙げていきます。 動的Webサイト、社内業務アプリ環境移行、オンライン会議・ビジネスチャット、レンタルサーバーからの簡易Webサイト移行、オンデマンド動画配信について説明します。

AWSの料金目安の例1:動的Webサイト

トラフィック増が恒常的に見込まれる動的Webサイトを、AWSによって構築したい場合の料金目安は、月額760ドル(約81,320円)です。 このケースではそれぞれ、ロードバランサーはElastic Load Balancing、SSL/TLS 証明書 はACM、Web サーバーはAmazon EC2とAmazon EBS、データベースはAmazon RDS、NAT ゲートウェイはNAT Gatewayを選択しています。
AWS ソリューション構成例 – 動的 Web サイト

AWSの料金目安の例2:社内業務アプリ環境移行

WindowsのアプリケーションをAWSに移して構築をしたい場合の料金目安は、月額2,008ドル(約214,856円)です。 このケースではそれぞれ、Windows ServerはAmazon EC2とAmazon EBS、SQL ServerはAmazon RDS for SQL Server、ロードバランサーはElastic Load Balancing、オンプレミスとの接続はAWS VPN – AWS サイト間 VPNを選択しています。
AWS ソリューション構成例 – Windows Server 社内業務アプリ環境移行

AWSの料金目安の例3:オンライン会議・ビジネスチャット

在宅・リモート環境の従業員に向けてウェブ会議・チャットなどのビジネス用コミュニケーションツールを提供する場合の料金目安は、月額661ドル(約70,727円)です。 このケースではそれぞれ、オンライン会議、チャットサービスはAmazon Chime、オンライン会議、チャットサービスのユーザー認証はAWS Directory Service 、接続は VPC Peeringを選択しています。
AWS ソリューション構成例 – オンライン会議・ビジネスチャット

AWSの料金目安の例4:レンタルサーバーからの簡易Webサイト移行

柔軟な拡張が難しいレンタルサーバーを使用したWebサイトをAWSクラウドを使うことで効率的な運用を実現する場合の料金目安は、月額4ドル(約428円)です。 このケースで選択している、Webサーバー/アプリケーションサーバーとして利用するAWSサービスは、Amazon Lightsailです。

AWSの料金目安の例5:オンデマンド動画配信

期間限定でプロモーション・キャンペーン動画を不特定多数のユーザーに向けて費用を抑えながら配信する場合の料金目安は、月額136ドル(約14,552円)です。 このケースではそれぞれ、コンテンツ配信ネットワークはCloudFront、メディア変換処理はMediaConvert、メディア変換要求はLambda、バックアップ用ストレージはS3を選択しています。
AWS ソリューション構成例 – オンデマンド動画配信

詳細な料金を算出をしたい場合はAWS料金ツールを使ってみよう

5つの料金事例を見て、おおまかな料金の相場が理解できたかと思います。しかし、実際にいくらかかるのかは構成によって変わります。 見積もりを作成したい場合は「AWS Pricing Calculator」という公式の料金計算ツールを使ってみましょう。構成、ストレージの量、データの転送量によって詳細な料金を算出することができます。
AWS Pricing Calculator アーキテクチャのコストの見積もり

AWSの料金を下げる3つの方法

AWSは初期費用がかからず、使った分だけ支払うことで低価格を実現しています。しかし、実はさらにコストを下げる方法があるのです。 AWS請求代行サービスを利用すること、時間によってインスタンスを停止すること、リザーブドインスタンスを利用することによって料金が下げられます。 それでは、1つ1つ説明していきます。

AWSの料金を下げる方法1:AWS請求代行サービスを利用する

AWSのパートナー企業の提供している「AWS請求代行サービス」を使うことで、AWSの全サービスが一律5%割引となります。または特定の構成で、10%以上の割引が可能です。 なぜ料金を割引できるかというと、多くの利用者様のAWS利用料を、サービス会社がまとめて払うことで、大量取引による価格割引が適用されるからです。その差額が、利用者様に還元されるという仕組みです。

AWSの料金を下げる方法2:時間によってインスタンスを停止する

休日や深夜など、使用していない時間帯のAmazon RDSやAmazon EC2の費用を払うのは勿体ないものです。こうした無駄なコストを確認し、不要なものは停止や削除することで、さらに料金を削減できます。 従って使用しない時間は、インスタンスを停止するようにすることがおすすめです。このように、AWSの利用状況を確認すれば、より一層AWSの料金を低価格にすることができます。

AWSの料金を下げる方法3:リザーブドインスタンスを利用する

リザーブドインスタンスとは、1年分もしくは3年分の金額を前もって払うことにより、大幅に価格が割引されるというシステムです。例えば、Amazon EC2ならば、リザーブドインスタンスを使うと72%割引となります。 ただし、リザーブドインスタンスが使えるサービスは、Amazon RDSやAmazon EC2などの、限られたサービスのみとなっています。

AWSを利用するならまずは試算してみよう

今回は、複雑で分かりにくいAWSの料金について分かり易く解説しました。 AWSの料金の仕組みやだいたいの相場を理解することができたのではないでしょうか。この記事を参考にAWS料金の概略を掴んでいきましょう。]]>

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この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニア
未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞

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