この記事の目次
ネットワークエンジニアの将来性
ネットワークエンジニアとは、ネットワークの設計や構築、運用などを行います。専門性の高い知識や技術が必要となるので、ネットワークエンジニアは重要な存在でした。
しかし、ネットワークエンジニアはクラウドの普及によって、求められるものに変化がしてきています。
そのため、ネットワークエンジニアを志望しているのであれば、今後のネットワークエンジニアにはどのようなことが求められるようになるのか、その将来性を把握しておくようにしましょう。
ネットワークエンジニアの需要
ネットワークエンジニアの存在は貴重なため、今でもその需要は高いです。しかし、クラウドの普及によって、今では自社サーバーでなく、クラウドサーバーを利用する企業も増えてきています。
そのため、今後のネットワークエンジニアはネットワークの設計や構築、運用だけでなく、仮想サーバーや仮想ネットワークを構築するスキルなど、クラウドに関する知識や技術も求められるようになると考えられています。
IoT市場の将来性
IoTの国内市場規模は2018年には6兆円を超えており 、今後も拡大を続けるとの見方が強いです。年間平均成長率が13.3パーセント程度で成長を続けた場合、2023年にはIoTの国内市場規模が、現在の2倍近い約11兆8000億円に達します。
現在ではまだパソコンとスマホ、タブレット端末などのITデバイスしかインターネットに接続していないという人が多いです。
しかし、今後数年の間にITデバイス以外の家電製品などもどんどんインターネットに接続する世の中になってくると見込まれています。
その実現のために、ネットワークエンジニアの需要が高まることが予想されています。とりわけ製造業においてはIT化が推し進められており、これまで以上にネットワークエンジニアの人手が必要になります。
こうしたIoTの将来性を見越して、今のうちから人材を確保しておこうとする企業も少なくありません。製造業の他の業種だと、流通業やサービス業、金融業などにおいてもIoTに対する支出額が高く、今後もこの傾向が続くことが予想されます。
クラウド市場の将来性
クラウド市場もここ数年で急速に拡大しています。2018年のパブリッククラウドサービスの市場規模は6,600億円を超えていて 前年の市場規模と比べると約27パーセント高い水準です。
IoTよりもさらに高い成長率を示しています。そして、この調子で市場拡大を続ければ、2022年のパブリッククラウドサービスの市場規模は2018年の約2.3倍に達します。
一方でクラウドが普及すれば、これまで社内でサーバーの保守運用を行ってきた企業も、次第に外部に移行することになるでしょう。
自社内でサーバーを設置せず、クラウドを利用する企業が増えてきます。そのため自社内でネットワークエンジニアが担う仕事が、減ってしまうのではないかと考える人も多いです。確かに自社内での仕事として見れば、ネットワークエンジニアの需要は減ります。
しかしその一方で、クラウドを扱えるネットワークエンジニアの将来性は明るいとの見方が強いです。現在ネットワークエンジニアとして活躍している人は、なるべく早い時期からクラウドに関する知識や経験を深めておくのが望ましいでしょう。
ネットワークエンジニアの業務内容
クラウドの普及によって、ネットワークエンジニアにはクラウドの知識や技術が求められるようになると考えられています。しかし、まだまだ従来のネットワークエンジニアとしての需要は高いです。
そのため、もしネットワークエンジニアへの転職を志望する場合は、まずネットワークエンジニアの業務内容を把握しておきましょう。ネットワークエンジニアはいろいろな業務を行いますが、その中でも主に行うことになる業務がいくつかあります。
ネットワークを構築する
ネットワークの構築では、設計書をもとにネットワーク環境を整えていきます。その工程にはネットワーク機器の購入やコンフィグファイルの作成、検証や導入、テストなどがあります。
また、単にネットワークが構築できれば良いというものでもなく、配線を乱雑にすると配線同士の摩擦が断線したり、ホコリが溜まって発火したりなどのトラブルの原因となってしまうことがあります。そのため、安全に機器の接続や設置をすることなども重要になります。
ネットワーク運用を監視する
ネットワークエンジニアは構築をしたネットワークを運用も行います。快適にネットワークを使用していくためには、パソコンの台数に増減があった場合にネットワーク構成を変更したり、必要に応じてハードやソフトのアップデートをしたりなどする必要があります。
そのため、ネットワークエンジニアの運用業務では、構築したネットワークが機器が正常に稼働しているか監視をして、トラブルがないようにメンテナンスをしたり、トラブルがあれば対応などを行うことになります。
ネットワークを設計する
ネットワークを構築する前には、クライアントと話し合って、どのようなネットワークを作り、そのネットワークを作るためにはどのような機器やネットワーク構成などが必要になるのかなどを決めていきます。
それらを具体的にまとめていくことがネットワークの設計段階になります。ネットワークの方向性が決まれば設計書を作り、その設計書をもとにネットワークを構築していきます。そのため、設計書を作る時点で、これから作るネットワークの全体像を把握できている必要があります。
ネットワークエンジニアの仕事で役立つスキル
ネットワークエンジニアはネットワークの設計や構築、運用などを行います。これらのことを行うためには、多くの物を使い、多くの人と関わることになります。
そのため、ネットワークエンジニアは単にハードやソフトなどのITに関する知識や技術以外にも、多くのスキルが求められることになります。
そのスキルには、身につけておかないとネットワークエンジニアとして仕事ができなくなってしまうものもあるので、事前に把握しておくようにしましょう。
英語
ネットワークエンジニアを日本でするのであれば、英語は必要ないと思ってしまう人がいます。しかし、仕事によってはネットワークは海外の拠点と繋ぐことがあります。
また、ネットワークを構築するために使うハードやソフトは海外製の物が多いです。そのため、マニュアルが英語であったり、トラブルが遭った場合には海外の企業に問い合わせをしたりなどする必要があるので、英語が必要となる場合があります。
マネジメントに関するスキル
ネットワークエンジニアとしての経験を積めば、プロジェクトリーダーとしてプロジェクト全体の管理をすることなる場合もあります。
プロジェクトをスムーズに進行して、成功させるためには、明確な成功のビジョンを持って、そのプロセスを実行できなければいけません。また、リーダーとしてメンバーの管理も行う必要があるので、将来的にはマネジメントのスキルも必要になります。
セキュリティに関するスキル
ネットワークを稼働すれば、不正アクセスやサイバー攻撃などを受けるリスクを負うことになります。そのため、重要な会社の情報を守るためにも、ネットワークエンジニアはセキュリティに関するスキルも身につけておく必要があります。
ただし、企業によっては情報セキュリティを専門にするセキュリティエンジニアがいる場合があり、セキュリティに関してはネットワークエンジニアでなく、セキュリティエンジニアが担当することもあります。
通信に関するスキル
ネットワーク上では、ファイルサーバーとPCの通信やPCへのログインなど認証通信、外部のインターネットとの通信など、いろいろな通信が行われます。
ネットワークエンジニアは、これらの通信がどのルートを通って、どのようにして通信をさせるのかということを考えて、ネットワークを設計、構築する必要があります。そのため、通信に関するスキルはネットワークエンジニアにとって必須スキルになります。
クラウドサービスに関するスキル
クラウドの普及によって、クラウドサーバーを利用する企業も増えてきています。そのため、今後のネットワークエンジニアには、クラウドに関する知識や技術も求められていくことになります。
ネットワークエンジニアが身につけておくべきクラウドスキルには、ネットワーク仮想化の知識や、そのネットワーク仮想化に対応したプログラミングのスキル、仮想化したネットワークの設計スキルなどがあります。
ネットワークエンジニアになるには?
ネットワークエンジニアになるためには、ハードやソフト、通信や設計などの幅広い知識が必要になります。そのため、ネットワークエンジニアを目指すのであれば、コンピューター系の学校を卒業していることが望ましいです。
また、必要な知識を持っているということを証明するために資格を取得しておくと良いでしょう。ネットワークエンジニアになるために取得しておくと良い資格には、シスコ技術者認定や基本情報技術者試験(FE)、応用情報技術者試験(AP)、ネットワークスペシャリスト試験(NW)などがあります。
ネットワークエンジニアの将来性について知ろう
ネットワークエンジニアの需要は高いです。しかし、クラウドの普及によってネットワークエンジニアに求められることに変化が起きてきています。
そのため、ネットワークエンジニアとして仕事をしていくのであれば、環境の変化に合わせて、柔軟にスキルを取得していく必要があります。
ネットワークエンジニアの需要自体がなくなるわけではないので、その将来性を把握して、身につけるべきスキルを見極めていきましょう。