2021/04/26

AWSからSendGridの利用方法とは?SESとの比較やバウンス対策についても紹介!

 
  

SendGridとは


SendGridはクラウド上で運用されている企業向けの電子メール配信サービスです。クラウドベースのサービスなので簡単に始められ、専業ならではの便利な機能やサポートを利用できます。

アメリカを中心に世界中の多くの企業が利用しており、月間約700億通以上の実績があるため安心して電子メールの配信を任せることが可能です。次からこのようなSendGridのサービスの特徴について紹介します。

電子メールは必ず届くとは限らない

GmailやOutlookなどの個人で使える多くのメールサービスで迷惑メールフィルターが使われているのをご存じでしょうか。多くの企業もこのようなサービスを活用しているので、気づかぬうちに受信メールが迷惑メールフィルターに分類されることがあります。

もし、重要なメールが迷惑メールに分類されてしまったらどうなるでしょうか。ビジネスに重大な影響を及ぼす可能性もあります。

迷惑メールを防ぐ仕組みが一般的となった今では、電子メールを送信すればそれが必ず相手に届く時代ではありません。

ビジネスで電子メールを使うのならば、相手に確実に届いていることが保証される仕組みが必要とされています。今回紹介するSendGridは、確実に届く電子メールを配信できるサービスです。

ビジネスで電子メールを使うなら

今ビジネスで電子メールを使うなら迷惑メールに分類されないだけの信頼性が必要です。SendGridでは電子メールの信頼性を確保するためのいろいろな仕組みに対応しており、クラウドから誰でもそのサービスを利用できる点がメリットです。

さらに必要に応じて拡張や縮小が可能なクラウドの特性を活かし、1通の電子メールを送るのと同じ手順で1万通もの電子メールも送れます。

さらにSendGridでは、送信したメールの詳細なログのチェックや到達率の低下などの解析も可能です。しかも、SendGridのサービスを利用すれば初期費用なしで利用可能です。

APIからも利用できる

電子メールはSMTPというプロトコルを使って配信されますが、今の時代、この仕組みが安全とは言えません。コンピュータウィルスなどの犯罪に利用されることもあります。そのため電子メールのセキュリティ対策は重要です。

SendGridはSMTPによる電子メールの配信も可能ですが、専用のAPIを利用して安全に電子メールを配信できます。

また、専用のAPIを利用してAWSのAmazon EC2などのクラウド上にシステムを構築することも可能です。さらにAWS Lambdaのようなサーバーレスの仕組みを利用すれば、より簡単に電子メールを配信する仕組みを構築できます。

バウンス対策面から見たAWS SESとSendGridの比較


AWSのAmazon EC2にインスタンスを作成してビジネスで電子メールを利用する場合、AWSで運用している電子メールサービスのAWS SESを利用できますが、SendGridのような外部のメールサービスも利用可能です。

なおAWS SESとSendGridの特徴を比較した場合、バウンス対策の面に置いてはSendGridに注目が集まっています。次から両者の特徴の比較を紹介します。

AWS SESとは?

AWSにはAmazon Simple Email Service (SES)という電子メール送信サービスがあります。そしてAWS SESの特徴は、AWSのクラウドインフラを利用することで大量のメール送信を安全に行える、ビジネスにも利用可能な電子メールサービスです。

そのため、AWSのAmazon EC2にインスタンスを作ったのであれば、わざわざ外部のSendGridを利用しなくてもビジネス目的の電子メールを送信できます。ただし、SendGridにはAWS SESにはない機能が幾つもあるので、両者の違いをしっかり把握して利用することをお勧めします。

電子メールの課題はバウンス対策

SendGridとAWS SESを比較する前に、今日の電子メールシステムの問題点の1つ、バウンス対策について解説します。電子メールシステムにおけるバウンスとは、あて先に送ったものの何らかの理由で相手に届かなかった場合、送信元に送信されるメッセージのことです。

単純にメールアドレスを間違えている場合の他、迷惑メールフィルターや受け取り拒否設定など、電子メールが届かない理由は幾つも考えられます。さらに同じ通信会社内でのみ使えるメールアドレスなどもあり、外部からそのメールアドレス宛に送信することはできません。

このため大量の宛先に電子メールを送信すると、バウンスメッセージも大量に戻ってきます。電子メールをビジネスに利用するなら、利用者に確実に通知するためにバウンス対策が欠かせません。

バウンス対策はSendGridが有利

SendGridとAWS SESを比較する場合、先ほど紹介した電子メールのバウンス対策に注目してください。どちらもバウンスに対応していますが、その処理方法が違います。

例えばSendGridではバウンスに対して自動処理を設定できますが、AWS SESではバウンスの記録を統計としてチェックできるだけで、手動での対応が必要です。

他にもSendGridは専業の電子メールのサービスらしい細かな対応が可能なことから、多くの企業がSendGridを利用しています。

AWSからSendGridを使う方法


SendGridを利用する場合、Web API経由でアクセスするか、SMTPを利用します。AWSのAmazon EC2からSendGridを利用する場合も、SendGridのWeb APIを利用して電子メール送信の仕組みを作るか、SMTPを利用することで電子メールを送信可能です。

次からそれぞれの使い方について解説します。

APIキーを入手する

SendGridのWeb APIまたはSMTPを利用して電子メールを送信するにはAPIキーが必要です。AWSのインスタンスから利用する前に、SendGridのWebポータルのメニューからAPIキーを入手してください。

APIキーの発行は、Webポータルのメニューから「SETTINGS > API Keys」と選択し、API Keysの画面で「Create API Key」をクリックして切り替わった画面にて作成します。

なお、APIキーの発行は1度だけで再発行できないので、保管場所や保管方法に注意してください。

Web APIを利用する

SendGridのWeb APIを利用するには公式APIを利用し、先ほど入手したAPIキーと電子メールに必要な送信元アドレス、送信先アドレス、サブジェクト、メール本文を指定して送信します。

公式APIはC#、Go、Java、Node.js、PHP、Python、Rubyの7つのプログラム言語をサポートしているので、AWSのインスタンスで利用する言語に合わせて利用してください。

SMTPを利用する

SMTPとはsimple mail transfer protocolの略で、メールサーバー同士が電子メールを送受信する際のルールです。SendGridは、SMTPによる電子メールも受け付けています。

SendGridのSMTPを利用する際、先ほどのAPIキーを認証に使用し、その後SMTPのルールに従って電子メールの配信を受付します。SMTPの手順をプログラムで作る場合は、認証方法に注意してください。

具体的には、まずsmtp.sendgrid.netにSSL接続でポート番号465に接続してください。認証に使うログイン名は「apikey」、パスワードはAPIキーです。それらをBase64エンコードして送信してください。
続いて送信元アドレス、送信先アドレス、サブジェクトやメール本文などを送信します。

支払いはAWSマーケットプレイスで

AWSのインスタンスからSendGridを利用する場合、支払先が2つだと面倒と感じるかもしれませんが、安心してください。SendGridはAWSと提携しているのでAWSマーケットプレイス経由での支払いにも対応しています。

確実にメールを届けるならSendGrid


AWSのAmazon EC2などでインスタンスを設定し、そこで電子メールを送る仕組みを作ることは難しくありません。クラウドにはAWS SESやSendGridをはじめ、電子メールを送信するサービスがいくつもあります。

しかし、全てのサービスで確実に相手に電子メールを送れるとは限りません。これまで説明したように、確実に電子メールを届けるという観点では、SendGridを利用することがおすすめです。

AWSからSendGridの仕組みを利用して、確実に電子メールを届けられるシステムを構築しましょう。

ITエンジニアへのキャリアチェンジならキャリアチェンジアカデミー

この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニア
未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞

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