この記事の目次
AWSとは?
AWSとは、アマゾン・ウェブ・サービス(Amazon Web Services)の略称であり、100以上の様々なサービスの集合体です。
AWSを使うと、アプリケーションやWebサービスを作る際にとても便利です。サーバー構築をAWS上で行えたり、ログイン認証やその他セキュリティ対策を簡単に行えます。そのため近年とても注目され、様々なサービスがAWSを用いて作られています。
また、AWSは様々な外部サービスと連携できるため、拡張性が高く汎用性も十分です。
最近では大手ゲーム会社が発売しているゲームソフトにも、AWSのサービス(EC2等)が採用されています。
Unityとは?
Unityとは、ノンコードで使用でき、様々な製品の開発に利用される大規模プラットフォームです。
よく知られているのはゲーム開発プラットフォームとしてですが、最近では自動車開発のAIシミュレーターとしても活躍しています。個人でも無料で簡単に導入できるほど敷居も低く、大規模な開発にも積極的に利用できるポテンシャルを持つプラットフォームです。
最近のゲーム業界で使用されている一例としては、あの有名な「原神」、「ポケモンGO」、「スーパーマリオラン」等がUnityを用いて開発されています。
自動車メーカーの導入事例では「Audi」や「TOYOTA」等があります。誰でも一度は聞いたことがあるような超大手企業が、Unityを利用して製品を作っているのです。
Unity開発にAWSを用いるメリット5つ
Unityは、AWSをプロダクトに導入し利用することが可能です。Unityでゲームを作る際にAWSを用いることで、非常に便利なことがいくつもあります。
メリットとなるポイントは様々ありますが、本記事では大きく5つに分けて解説していきます。
1: ユーザー登録やログイン等の機能が一瞬で作成できる
ユーザー登録やログイン等は、多くのゲームに欠かせない機能です。しかしこれらは、ゲームの中身とはほぼ関係ない部分なので、できれば作成に時間をかけたくありません。
AWSではこれらの機能を付与するためのサービスがあります。Unity開発にこれを用いることで、面倒なユーザー認証やログイン等の機能作成を、AWSのサービスに任せることができます。
こうすることで開発者は時間や労力をゲームの作成に注ぐことが可能になり、ゲームのクオリティを向上させたり、ゲームの開発期間を短縮したりできます。
ユーザーにとっても、AWSを用いて作られた機能であれば同様の手順でログインや新規登録ができるため、ゲームをプレイし始める前の作業を短縮できて便利です。
2: ユーザーの規模に合わせたサーバーを使用できる
ゲームをプレイするユーザーが増えてくると、サーバーに負荷がかかりゲームのロードが遅くなったり、ゲームがクラッシュしてしまうことがあります。
AWSサービスではユーザーの規模に合わせて、自由にサーバーの大きさを変更できるものがあります。 サーバーの管理も最小限で済むので、その時のユーザー規模に合わせた最適なサーバーを自由に選択可能です。
サーバーがクラッシュすると、ゲームを遊べなくなってしまうこともあります。AWSサービスを使うことで、ゲームに対するユーザーの満足度を上げられる可能性も増えてくるのです。
3: データ送受信の遅延が少ない
FPS(First Person Shooter)型ゲームのように、データ通信の遅延が致命的なゲームもあります。
UnityのゲームにAWSサービスを用いることで、 データ送受信の遅延問題にも対応できます。 毎秒数千件のデータリクエストに対応するサービスがあるので、FPS等のデータ通信速度が重要なゲームにも対応可能です。
FPSは、約0.2秒のラグ(データ通信遅延)でも致命的と言われるゲームジャンルです。ユーザー側の目線からでも、データ通信の遅延があるかどうかはゲームをプレイする上で欠かせない要素となってきています。
4: クロスプラットフォームに対応している
Unityで作成したゲームは、iOSやAndroidでのプレイにも対応しています。
Unityでのゲーム開発をAWSと組み合わせることで、クロスプラットフォーム実装時のサーバー問題等も解決できるため、様々なプラットフォームからユーザーを集めることができます。
例えば「iOSでは快適にプレイできるけれど、Androidではゲームのクラッシュが多くまともに遊べない」等の問題を解決することが可能です。これによりユーザーのゲームプレイに対する敷居を下げ、より多くの時間プレイしてもらえるようになるでしょう。
また、ユーザーが対応ゲームハードを持っていない場合も少なくなります。より多くのユーザーが、そのゲームで遊ぶことを検討してくれるようになるのです。
5: アップデート時でもゲームをプレイし続けられる
近年のゲームは、アップデートによってバグの修正や新要素の追加等を行い、ユーザーを飽きさせないように工夫しています。Amazon GameLiftというものを用いると、アップデート時でもユーザーはゲームをプレイし続けることが可能です。
したがってユーザーのゲームプレイを止めることなく、バグの修正やゲームの新要素のリリース等が行えます。Unityはノンコードで素早く修正・改良ができるため、AWSはUnityとの相性もとても良いのです。
もちろんユーザー側もゲームをプレイしながらアップデートを待てるため、よりアップデートへの期待を高められる等の利点もあります。
Unity開発でAWSを使用する際のポイント
AWSはUnityでのゲーム開発において、非常に便利です。しかし使い方を間違えると、思わぬトラブルに繋がってしまう可能性もあります。
ここからは、AWSを使用する際に知っておいた方が良いことや、UnityにAWSを取り入れる際のポイント等について、いくつか解説していきます。
導入が必須のAWSサービスがある
AWSをUnityで利用する際、必ず導入しなければいけないサービスがあります。Amazon Cognito IDというものを使った、AWSを認証するためのAWSサービスです。
これを導入しないと、そもそもUnityに他のAWSサービスを導入できません。AWSのセキュリティ対策等のために、このような仕組みになっています。AWSを利用する時はこのようなことに気をつけて、しっかりと調べながら利用していきましょう。
有料のAWSサービスもある
AWSサービスには有料のものや、ある一定を超えると従量課金制に変化するものが存在します。したがってサービスについての理解を怠ると、思わぬ料金が発生してしまう場合があります。
利用するAWSサービスがどのようなもので、どういった時に使用するものなのか、ここもしっかりと調べてから導入することをおすすめします。
Unityは容量が大きい
Unityのプラットフォームをパソコンにダウンロードすると、インストールだけで数GBほどの容量を使います。さらに作成したゲームデータが保存・追加されていくので、Unityプラットフォームにはパソコンのスペックが大きく影響してしまいます。
パソコンの容量がUnityのプロダクトによって圧迫されてくると、画面がカクつく等、開発中の動作環境にも影響してきます。
作成するゲームの規模にもよりますが、パソコンのスペックやストレージ残量にも気をつけましょう。
Unity開発にAWSを用いて、早速ゲームを作ってみよう!
UnityとAWSを組み合わせると、クオリティの高いゲームを素早く作っていくことが可能になります。
近年有名になったゲームの中にも、Unityで作れられたものがたくさんあります。Unityは無料で使えるので、是非一度Unityでゲームを作ってみてください。そういった中で、少しずつUnityやAWSについて理解していきましょう。
この記事の監修者・著者

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未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞