この記事の目次
自分の環境とAWS稼働状況の問題を切り分ける
AWSマネジメントコンソールからAmazon EC2インスタンスなどのAWSリソースにアクセスできない場合、まずは、自分の環境が原因なのか、AWSのシステム障害などの稼働状況が原因なのか、問題を切り分ける必要があります。
AWSマネジメントコンソールとは、AWSを管理するWebインターフェイスのことです。Amazon EC2インスタンスとは、AWSで利用できる仮想サーバーのことです。
AWS稼働状況の前に自分の環境設定を確認する
AWSマネジメントコンソールへのアクセスができない場合、まずは自分の環境設定を確認しましょう。
AWSの稼働状況に関する問題ではなく、自分のブラウザの設定や会社のネットワーク設定などに起因して、AWSへのアクセスが妨げられている可能性があるからです。
ブラウザのキャッシュを消去する
まず、ブラウザのキャッシュを消去しましょう。キャッシュとして保存されたデータが古かったり、壊れていたりすることが原因で、Webページが正常に表示されないことがあるためです。
キャッシュとは、過去にアクセスしたWebサイトのデータを保存し、次回以降アクセスするときに再利用する機能です。
Google Chromeの場合、右上のメニューボタンの「設定」から、「閲覧履歴データの削除」を選択し、「キャッシュされた画像とファイル」にチェックが入っている状態で「データを削除」をクリックすると、キャッシュが削除されます。
別のブラウザでアクセスする
キャッシュを消去しても問題が解決されない場合、別のブラウザでAWSマネジメントコンソールにアクセスしましょう。問題がブラウザに起因しているかどうかを確認するためです。
別のブラウザで問題なくアクセスできる場合には、ブラウザに起因してアクセスができないことになるため、ブラウザの設定やソフトウェアのバージョンを再度確認しましょう。
別のブラウザでもアクセスできない場合には、ブラウザに起因した問題ではない可能性が高いことになります。
ネットワークのドメインブロック設定を確認する
使用しているネットワークで、amazon.com、aws.amazon.com(サブドメインを含む)をブロックしていないことを確認します。サブドメインとは、大きなドメインの一部を構成する小さなドメインのことです。
たとえば、aws.amazon.comは、amazon.comのサブドメインです。そして、aws.amazon.comにも、docs.aws.amazon.comやus-east-2.console.aws.amazon.comといった複数のサブドメインが存在します。
会社のネットワークからアクセスしている場合には、ネットワーク管理者に依頼して、amazon.com、aws.amazon.com(サブドメインを含む)をブロックしていないか確認してもらいましょう。ブロックしている場合には、ブロックを解除してもらう必要があります。
AWS稼働状況を確認する
AWSマネジメントコンソールにアクセスできない原因が、自分の環境ではないことが確認できたら、次にAWS稼働状況を確認しましょう。
AWS稼働状況の確認方法について紹介します。
AWS Personal Health DashboardでAWS稼働状況に関する通知を確認する
AWSリソースのうち、特定のリソースにアクセスできない場合には、Personal Health DashboardにアクセスしてAWSからの通知を確認します。AWSリソースとは、Amazon EC2やAmazon RDS データベースなどのAWSのサービスのことです。
AWS Personal Health Dashboardとは、ユーザーに影響するイベントが発生した際に、通知やガイダンスを提供するサービスです。利用中のAWSサービスに関連する情報がパーソナライズされて表示されます。
例えば、Amazon EC2にはアクセスできて、Amazon RDS データベースにはアクセスできない場合、Amazon RDS データベースの定期メンテナンスなどを実施している可能性があります。その場合、AWS Personal Health Dashboardから情報を確認します。
AWS Service Health DashboardでAWS稼働状況を確認する
AWSマネジメントコンソールにアクセスできないなど、AWSの全てのリソースにアクセスできない場合には、AWS Service Health Dashboardにアクセスして、AWSの稼働状況を確認します。
AWS Service Health Dashboardとは、AWSでユーザーに影響するイベントが発生している場合に、通知やガイダンスを提供するサービスです。
AWS Personal Health Dashboardが利用中のAWSサービスに関連するパフォーマンスについてパーソナライズされた情報を通知するサービスであるのに対して、AWS Service Health Dashboardは、AWSのサービス全般に関連するステータスを表示するサービスです。
RSSフィードをサブスクライブする
AWS Service Health Dashboardは、RSSフィードをサブスクライブできます。
サブスクライブとは、定期購読という意味です。サブスクライブすることにより、AWSに障害などのイベントが発生した際に、タイムリーに通知を受け取れます。
RSSフィードはリージョンごとに分かれているため、利用しているリージョンのRSSフィードをサブスクライブしましょう。
AWS稼働状況の履歴を確認する
AWS Service Health Dashboardでは、AWS稼働状況の履歴を確認できます。
AWS Service Health Dashboardの画面下にスクロールすると、Status Historyという項目があり、AWSの過去1年間の稼働状況を確認できます。
AWS稼働状況を示すステータスアイコンの意味
AWS稼働状況を示すステータスアイコンは4種類あります。
それぞれ緑のチェックマーク(Service is operating normally)、青のダイヤマーク(Informational message)、黄色の三角マーク(Service degradation)、赤の停止マーク(Service disruption)です。
チェックマークはサービスが正常に稼働していること、ダイヤマークはエラー発生などのメッセージがあること、三角マークはサービス品質の劣化があったこと、停止マークはサービス停止があったことをそれぞれ示しています。
チェックマーク以外のステータスアイコンにマウスオーバーすると、詳細なインシデントレポートが表示されます。また、ステータスアイコンをクリックすると、インシデントレポートがポップアップで表示されます。インシデントレポートとは、事故や障害の報告書のことです。
AWS稼働状況のカレンダー
AWS Service Health DashboardのStatus Historyは、AWSの稼働状況をカレンダーで表示しています。カレンダーの上部に配置されている矢印ボタンをクリックすると、カレンダーを前後に移動できます。
最長で1年間さかのぼることが可能です。すべての日付と時刻は、太平洋時間(PST/PDT)で表示されています。
AWSにアクセスできないときは稼働状況を確認しよう!
AWS Personal Health DashboardやAWS Service Health Dashboardでは、AWSの稼働状況を確認できます。AWSマネジメントコンソールへのアクセスができないなど、トラブルが発生した際には、まずは自分の環境を確認しましょう。
それでもアクセスできない場合には、AWS側で障害が発生している可能性があります。AWS Personal Health DashboardやAWS Service Health DashboardでAWS稼働状況を確認してください。
RSSフィードを利用すると、AWSのシステム障害発生時に通知を受け取ることができますので、併せて活用しましょう。
この記事の監修者・著者
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未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞
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