この記事の目次
そもそもスキルマップとは何のこと?
スキルマップとは、業務の遂行能力をわかりやすく纏めたツールの事で、自らの持っている知識や資格等を書き記します。
ITエンジニアの場合は自分が専門とするプログラミング言語やOSコマンドの他に、保持している資格、今まで経験した案件とその詳細をスキルマップにまとめます。
フリーランスのシステムエンジニアやSES企業のエンジニア、求職・転職活動中のエンジニアが仕事を探す時に使用しているものです。
ITエンジニアがスキルマップを作成する意図とは?
スキルマップは企業から見ると、その人のスキルや知識を把握し、計画的な人材配置を行うために使用します。
ITエンジニアがそのようなスキルマップを作成する意図としては、自らが保持しているスキルやキャリアプランにマッチする案件を探し、プロジェクトに参画するためです。
また、自分の技量を一目で把握することも出来るので、直近の目標や勉強計画を立案する時にも役に立ちます。
ITエンジニアがスキルマップを作成する利点4つ
スキルマップは企業がエンジニアを採用して、プロジェクトの計画を立てる際に利用されますが、ITエンジニアから見てもスキルマップを作成する利点はあります。
モチベーションのアップにつながる事もありますし、前述したように仕事を探す際にも役に立ちます。
マネージャーやチームリーダーのような管理職であれば、スキルマップを作成する時のメリットは更に大きくなります。
1:チームのやる気に繋がる
スキルマップを作成する事により、ITエンジニアは自らのスキルレベルが一目でわかるようになるので、仕事や自己研鑽へのやる気が上がります。
自らのスキルレベルを把握できれば、評価を高めるために何をすれば良いのか方針を決定しやすいですし、相談もしやすくなります。
マネージャーやチームリーダーのような管理職になると、自分が管理しているチームのメンバーのスキルも知れるようになるので、良い刺激を受ける事が出来ます。
2:チームを作る際の判断材料になる
スキルマップによって自他問わずスキルのレベルが把握できるようになるので、チームを作る際の判断材料になります。
現状チームが必要としているスキルはどのようなもので、これからチームに加えようとしているエンジニアには何を求めるかがはっきりする事で採用戦略が一気に立案しやすくなります。
3:スケジュールの管理がしやすくなる
スキルマップによってチームメンバー全体の力量も把握出来る様になるので、プロジェクトのスケジュールの管理もしやすくなります。
また定期的にチームメンバーのITエンジニアに、各々のスキルマップの更新と提出を義務付けるようにする事でスケジュール管理の精度は更に上がります。
4:転職の際に役に立つ
スキルマップはそのエンジニアが保持しているスキルを明確に出来るので、企業からしてみると求めている人材が探しやすくなり、転職に役に立ちます。
例えばJavaのエンジニアを求めている企業に対して、Javaに関するプロジェクトの経験や保持しているJavaの資格について記載のあるスキルマップを提出すれば、採用選考を有利に進める事が出来ます。
またスキルマップは作成する過程で自分の強み等が整理されるので、面接試験も通過しやすくなるでしょう。
IT業界で働くために求められる9つのスキル
ITの世界は常に新しい技術が生まれ、日々進歩している業界なので新しい技術に対しての勉強が欠かせませんが、そんなIT業界でエンジニアとして働くためには幾つか必要なスキルがあります。
人材不足の影響で文系の大学や学部の出身者でもITエンジニアになる事はできますが、技術職なので、活躍のためには必要とされているスキルの取得が必要不可欠です。
例えばプログラミングが出来なければ仕事の話についていく事さえ難しいですし、資料作成等のドキュメントの作成スキルが無いと同僚との連携が難しくなります。
1:プログラミングスキル
プログラミングスキルはITエンジニアに必須の能力で、特に開発系のエンジニアにとってプログラミングスキルは働く上で必要不可欠なスキルです。
ITエンジニアの中でも、インフラ系のエンジニアの場合はLinuxやWindows等のOSコマンドを覚えましょう。
プログラミング言語は1つ覚えるだけでもかなりの時間と労力が必要になるので、なるべくニーズのある物を選ぶ必要があります。
スキルマップには専門としている言語や、その言語に関するプロジェクトの経験を重点的に記載していくと良いでしょう。
2:各専門分野に関する知識
各分野に関する専門的な知識があればプログラミング等の勉強も効率良く出来ますし、業務の覚えも早くなります。
具体的には、ソフトウェア・ハードウェア・データベース・ネットワーク・セキュリティに関する知識をそれぞれ習得しておくと良いでしょう。
上記に関する知識を勉強する時は、基本情報技術者の勉強に使用する教材を使うと、初心者でもスムーズに学べます。
3:資料作成・文章作成スキル
ITエンジニアは上流工程に行くと、要件定義書や設計書を執筆する機会が多くなるので、資料作成や文章作成のスキルが必要になります。
プログラマーやテストの工程でも、コーディング内容やエラーの内容の報告の時に資料作成や文章作成のスキルが必要なので、ITエンジニアと資料作成や文章作成のスキルは切っても切り離せない関係です。
スキルマップには、要件定義書や設計書の執筆経験の有無や要件定義書や設計書を読む時にどんな点に注意していたかを書くと良いでしょう。
4:IT業界への知識
開発系・インフラ系を問わず、エンジニアはIT業界の基礎的な知識が無いと、業務上困った事になります。
ITに関する用語の知識が無ければチームのメンバーとのコミュニケーションも出来ませんし、セキュリティの重要さを理解していなければ情報漏洩等を起こす危険も出てきてしまいます。
またこれからどんな技術がトレンドになるかの情報収集の際もIT業界への知識が必要です。
5:要件定義・設計
特にシステムエンジニアは業務上、要件定義書や設計書を多く書くので、要件定義や設計に関する知識は必要不可欠です。
プログラマーやテスターも要件定義や設計の知識があると、要件定義書や設計書を読み取る時の助けになりますし、テスト項目等を作成する時にも役に立たせる事が出来ます。
要件定義や設計が出来るITエンジニアは企業間では需要がとても高く、報酬や待遇が飛躍的に上がります。
6:運用・保守
サーバーやネットワークの能力を向上させ、安全を担保する仕事である運用保守に関するスキルはITエンジニアに必要不可欠です。
上流工程であれば、不測の事態に対してどのような業務フローを組めば適切かを考えて考慮する時に必要になりますし、実際に手を動かす下流工程のエンジニアも運用保守の知識があればミスなく仕事が出来ます。
7:マネジメント能力
マネジメント能力のあるエンジニアは非常に需要が高いので、技術的な能力だけでなく、チームを管理するマネジメント能力もエンジニアに必要な能力です。
マネージャーなどの管理職であれば必要なのは勿論ですが、チームメンバーであってもマネジメント能力があればプロジェクトの進行に役立てられますし、後輩の育成等の役にも立ちます。
8:コミュニケーション能力
ITエンジニアは技術的な能力だけでなく、コミュニケーション能力もとても重要で、必須の能力としている企業も少なくありません。
例えば、顧客から要望を聞き出す時や、その要望をどうやって実現するかを説明・表現する時にコミュニケーション能力が必要になります。
9:時間管理スキル
ITのビジネスも、顧客がいるからこそ成り立つビジネスなので、ITエンジニアは納期をきちんと守るための時間管理スキルが必須です。
特にウォーターフォール式の開発モデルを採用しているプロジェクトの場合、後から以前の工程に戻る事が出来ず、スケジュールも既に出来上がっているため、なおさら時間管理スキルが仕事をする上で重要になります。
ITエンジニアのスキルマップの作成方法
ITエンジニアがスキルマップを作成する方法として、各工程別にスキルの習熟度を表す点数をそれぞれ振っていく方法が良いです。
具体的にはマネジメント・要件定義・設計・プログラミング・テスト・ヘルプデスク等に分け、それぞれの業務に1から5点を振り分けていきます。
そして備考等も加えて、得意とするプログラミング言語や経験したプロジェクトについて書くと尚良いでしょう。
ITエンジニアがスキルマップを作成する時に気をつけること3つ
スキルマップは単に作れば良いという訳では無く、定期的にスキルレベル等を更新するなど、気を付けなければならない点が幾つかあります。
サンプルのような物もありますが、ITエンジニアのスキルを正しく伝えるためにも、臨機応変に書き方を変化させる事も重要です。
1:更新作業を怠らない
日々の勉強をこなし、業務を経験していく事でスキルレベルが変化していくので、スキルマップの更新作業は怠れません。また資格等を新しく取得した際も、その事について何らかの形でスキルマップに記載するべきです。
逆に言うと日々技術革新が起こるIT業界でエンジニアとして活躍するには、頻繁にスキルマップの更新が必要になる位でないといけません。
2:個々のエンジニアのスキルを見る
スキルマップは、それを見ればどのメンバーがどんなプロジェクトに適しているかを判断するために作成する物なので、個々のエンジニアのスキルを見ましょう。
個々人の保有スキルによってスキルマップのフォーマットや項目等も変えると、より正確に個々のエンジニアのスキルを伝える事が出来ます。
3:点数で評価する
スキルマップに記載のスキルを点数で評価する事により、そのエンジニアのレベルがどれ位の物かがわかりやすくなります。
エンジニアから見ても、どのスキルが弱いのか、どのスキルを重点的に伸ばすべきかの計画が立てやすくなりますので、各スキルは点数で評価しましょう。
スキルマップを有効活用する3つの方法
スキルマップは、プロジェクトや企業への応募者から見ても、人事の採用担当者から見ても役に立つものです。
しかしプロジェクトや企業への応募者は特に、活用すべき場と方法をきちんと考えないと、折角スキルマップを作成しないと宝の持ち腐れになります。
プロジェクトや企業への応募者は、スキルアップの計画の立案や自己分析の場などで特に有効活用が出来ます。
1:スキルアップに活かす
スキルマップは各スキルを点数によって評価するので、自分の強みや弱みがわかり、スキルマップに活かす事が出来ます。
特に、SES企業に勤めている場合は、人事や営業担当者にスキルマップを使って相談する事で、より的確なアドバイスが期待出来るでしょう。
2:自分が携わりたい分野を明確にする
スキルマップは業務経験と共に学習経験等も書く事が出来るので、これから自分が関わりたい分野や仕事内容を明確に相手に伝える事が出来ます。
またスキルマップに記載してある項目を見て、エンジニア自身がこれから目指すべきキャリアをはっきりさせる事も出来るでしょう。
3:自分の強みを分析する
スキルマップは各項目を点数で評価してあり、自分が得意とする業務が何なのかをはっきりさせる事が出来るので、自分の強みを分析する助けになります。企業やプロジェクトの人事担当者に、自分の強みや自分を採用する事のメリットを説明しやすくなるでしょう。
自分の能力を必要としている企業やプロジェクトとマッチング出来る可能性が上がるので、収入のアップやキャリアアップの可能性も高まります。
自分のスキルマップを作成してIT業界への転職に役立てよう!
スキルマップを作成する事で自分のスキルレベルが把握出来るので、スキルアップの指標になり、IT業界への転職にも役立てられます。
IT業界が未経験だったとしても、IT業界で役に立つと思われる業務経験や学習経験のあるITの事をスキルマップに書くのも良いです。
自分のスキルマップを作成する事で、これからも業績が伸びる可能性が大きいIT業界への転職の助けになるでしょう。