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AWS Healthとは?
AWS Healthとは、AWSで発生するイベントのことです。
AWS Healthイベントは、AWSのリソースの状態が変化したときに発生します。リアルタイムでアラートや通知がトリガーされ、AWSサービスの状態をリアルタイムで確認することが可能です。
また、AWSのアカウントを持っていないユーザでも、AWS Service Health Dashboardを利用してAWSのサービス全体の障害情報をリアルタイムで確認できます。
AWS Personal Health Dashboardの使い方
AWS Personal Health Dashboardは、AWSのアカウントを持っているユーザであれば誰でも利用できます。
AWS Personal Health Dashboardを利用するためには、AWSマネジメントコンソールにサインインします。
AWS Personal Health Dashboardでは、自分が利用しているAWSリソースで障害の影響を受けているものをリアルタイムで確認可能です。
「ダッシュボード」を選択して最新の障害情報や今後予定されているイベントをリアルタイムで表示するか、「イベントログ」を選択して過去90日間のすべてのイベントを表示することができます。
ダッシュボード
ダッシュボードには、以下の3つの分類でAWSの情報がリアルタイム表示されます。
・未解決の問題(Open issues)
・予定された変更(Scheduled changes)
・その他の通知(Other notifications)
デフォルトでは、過去1週間(7日間)分の未解決の問題とその他の通知が表示されます。
画面に表示されている項目は、フィルタリストから選択してフィルタリングすることで、最終更新時間などで結果を絞り込むことが可能です。
イベントログ
イベントログには、自分が利用しているAWSリソースのすべてのイベントが表示されます。
レイアウトと動作はダッシュボードと似ていますが、イベントログのページには[ステータス]と[イベントのカテゴリ]の列とフィルタオプションが追加されています。
イベントログもダッシュボードと同様に、フィルタリストから選択してフィルタリングすることで、画面に表示される結果を絞り込むことが可能です。
AWS Personal Health Dashboardを利用するメリット
AWS Personal Health Dashboardを利用すると、以下のメリットがあります。
・自分が利用しているAWSリソースの状態を即座に確認できます。
・適切なタイミングで通知を受け取れます。
・適切なアクセスコントロールを設定できます。
・他ツールと統合することができます。
メリット1:自分が利用しているAWSリソースの状態を即座に確認できる
1つ目のメリットは、自分が利用しているAWSリソースの障害情報を即座に確認できることです。
Service Health DashboardはAWSのサービス全体の状態を確認できますが、自分の利用しているAWSリソースに障害が発生していることが判明している場合には、わざわざ全体の障害情報を確認しているとかえって手間が増えてしまいます。
そのような場合にAWS Personal Health Dashboardを利用することで、自分が利用しているAWSリソースの障害情報を即座に確認できるため、障害対応を効率的に行うことができます。
メリット2:適切なタイミングで通知を受け取れる
2つ目のメリットは、適切なタイミングで通知を受け取れることです。
ダッシュボードでは通知をあらかじめ予約することもでき、Eメールやモバイル通知などの複数のチャネルで通知設定が可能です。
それにより、適切なタイミングで通知を受け取ることができるため、通知の見逃しを防ぐことで障害情報をリアルタイムに受け取ることができます。
メリット3:適切なアクセスコントロールを設定できる
3つ目のメリットは、適切なアクセスコントロールを設定できることです。
AWS Personal Health Dashboardはアクセスコントロールの詳細な設定が可能です。イベントのタイプやサービスの種類、またはロールに応じた属性などに基づいてアクセスを付与できます。これにより、重要な障害情報を必要なユーザにのみ通知したりできます。
メリット4:他ツールと統合することができる
4つ目のメリットは、他ツールと統合できることです。
AWS Personal Health DashboardはAmazon CloudWatchと統合できます。これにより、リアルタイムにログ分析をして障害発生の前兆を事前に検知したり、障害発生時の対応を自動化したりすることができ、より効率的な運用が可能になります。
AWS Service Health Dashboardの使い方とメリット
自分が利用しているAWSリソースだけでなく、AWSのサービス全体の障害情報を確認したい場合は、AWS Service Health Dashboardで確認できます。
AWS Service Health Dashboardはリージョン別に表示されています。確認したいリージョンのタブを選択することで、そのリージョンで発生している障害情報や障害履歴を確認することができます。
AWS Service Health Dashboardを利用すると、以下のメリットがあります。
・広範囲に影響する障害情報を確認できる
・過去の障害情報を確認することができる
メリット1:広範囲に影響する障害情報を確認できる
1つ目のメリットは、広範囲に影響する障害情報を確認できることです。
たとえば、大規模な障害が発生したとします。自分が利用しているAWSリソースは全滅してしまい、原因を調査しようにも、どこまでの範囲で障害が発生しているかがわからないというケースがあります。
そのようなときにAWS Service Health Dashboardを利用することで、障害の範囲が特定のユーザだけなのか、それともリージョン単位で発生しているのか、という切り分けが可能です。
実際に2019年に発生したAWSの障害では、特定のユーザが利用しているAWSリソースではなく、東京リージョン全体に障害が発生していました。
メリット2:過去の障害情報を確認することができる
2つ目のメリットは、過去の障害情報を確認できることです。
AWS Service Health Dashboardでは、画面上からは過去1週間分のイベントログを確認することができます。しかし、このイベントログのデータはJSON形式で提供されており、実際には過去1年分のイベントログが含まれています。
これにより、AWS Personal Health Dashboardからは確認できない過去の障害情報についても確認することができるため、障害の調査や対策に大いに役立てることが可能です。
また、比較的大規模な障害が発生した場合には、個別に詳細なレポートが公開されることもあります。
今後、自分が障害調査の対応をするときのために、たとえ過去に発生した障害でも情報の入手は可能であるということを覚えておくといいでしょう。
AWS Healthを有効利用しよう!
AWS Personal Health DashboardとAWS Service Health Dashboardは、それぞれに明確なメリットがあるので、適切に使い分けることで効率的な障害調査や対応ができます。
AWS Healthイベントで通知される情報は、AWS Personal Health Dashboardを利用することでユーザのリソース単位の障害情報をリアルタイムで確認することができますし、AWS Service Health Dashboardを利用することで、リージョン単位で確認することができます。
AWS Healthイベントを有効利用することでAWSのリソース情報をリアルタイムに確認することができ、結果として、予期せぬ事態にも迅速に対応できるようになります。
AWSのアカウントがあればAWS Personal Health Dashboardは利用できますので、まずはどのようなものか実際に操作して試してみてください。
この記事の監修者・著者

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未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞
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