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AWS Accountとは
AWS Accountは、利用者の仮想ネットワーク(VPC)や仮想サーバ(EC2)、ストレージ(S3)などのAWSリソースを内包したものを指す言葉です。
ユーザーアカウントのようにユーザー個人にひもづくものではなく、利用する契約者全体(企業やグループ)にひもづくもので、請求などもAWS Account単位で行われます。アカウントの所有者である、ルートユーザーと混同しがちなので注意しましょう。
AWS Accountを取得するには
ここでは、AWS Accountを作成して利用開始できる状態にするまでの手順について解説します。
AWS Accountの作成自体は無料で行えますが、有償サービスの請求のために、あらかじめ支払方法を入力する必要があります。支払方法は基本的にクレジットカードまたはデビットカード払いですので、事前にクレジットカードかデビットカードの情報を用意しておきましょう。
なお、無料利用枠や無料サービスのみを使用する場合でも、本人確認のために支払情報を入力する必要がありますので、クレジットカードまたはデビットカードが必要になります。
AWS Accoun作成前に用意しておくもの
AWS Accountを作成するにあたって、事前に用意しておくべきものを挙げていきます。
AWS Accountを作成する際には前述の支払情報の他にも、事前に用意しておくべきものや情報がありますので、以下のリストに列挙しておきます。
また、AWSのアカウント名や連絡先などの入力項目や、サポートプランなどについても事前に検討しておいた方がスムーズに作業が進められるでしょう。
- Eメールアドレス(ルートユーザーのID)
- 支払情報(クレジットカード・デビットカード情報)
- 携帯電話や固定電話などの端末(電話やSMSを受信可能なもの)
AWS Accoun作成手順
準備が整ったら、以下の手順に従ってAWS Accountを作成しましょう。ここで設定したEメールアドレスとパスワードが、AWS Accountのルートユーザーのログイン用Eメールアドレスとパスワードになります。
なお、作成手順をすべて実行してからAWS Accountが有効化するまでの時間は、通常数分以内となっていますが、最大24時間の待機時間が発生する可能性がありますので、注意が必要です。
- AWSのサインアップページを開きます。
- 「Eメールアドレス」にAWS Account用に用意したEメールアドレスを入力します。
- 「パスワード」に任意のパスワードを入力します(確認欄も同様)。
- 「AWSアカウント名」に任意の名前を入力します。
- 「続行」ボタンをクリックして、連絡先情報入力画面へ進みます。
- 「アカウントの種類」を法人用の「プロフェッショナル」か個人用の「パーソナル」から選びます。
- 「フルネーム」、「会社名」、「電話番号」に任意の名前、番号を入力します(電話番号はハイフンなし)。
- 「国」で国情報を選択します。
- 「アドレス」に住所の番地と建物名などを入力します。
- 「市区町村」に市区町村名を入力します。
- 「都道府県または地域」に都道府県名を入力します。
- 「郵便番号」に郵便番号を入力します(ハイフンあり)。
- AWSカスタマーアグリーメントを一読して問題なければ、チェックボックスにチェックを入れます。
- 「アカウントを作成して続行」をクリックして、支払情報入力画面へ進みます。
- 「クレジットカード/デビットカード番号」にカード番号を入力します。
- 「有効期限日」にカードの有効月、有効年を入力します。
- 「カード保有者の氏名」にカードに記載されている氏名を入力します。
- 「請求先住所」に連絡先情報で入力した住所が表示されているので、問題なければ「連絡先住所」を使用するにチェックを入れます。
- 請求先と連絡先が異なる場合は、「新しい住所を使用する」を選択して、請求先の住所を入力します。
- 「次へ」ボタンをクリックして、アカウント認証画面へ進みます。
- 「テキストメッセージSMS」か「音声通話」から、検証コード受信方法を選択します。
- 「国またはリージョンコード」で国を選択します(端末を契約している国)。
- 「電話番号」に検証コードを受け取る端末の電話番号を入力します。
- 「セキュリティチェック」で表示された文字列を入力します。
- 「お問い合わせください」ボタンをクリックします。
- 希望した方法で4桁の検証コードが届くので、検証コードの入力欄にコードを入力します。
- 「コードの検証」ボタンをクリックします。
- 「本人確認が終了しました」と表示されればアカウント作成は完了です。
- 「続行」ボタンをクリックして、AWSサポートプランの選択画面へ進みます。
- 「ベーシック」、「開発者」、「ビジネス」の各プランから希望のプランを選択します。
AWS Accoun作成についての補足と注意事項
AWS Accountの作成手順は以上の通りですが、いくつかの補足事項と注意点があります。実際に作業を進めるなかで、うまく手順が進められない時などにお読みください。
クレジットカード・デビットカードについての補足と注意点
ここでは、AWS Accounの作成に必要なクレジットカード・デビットカードについて、補足と注意点を解説します。
支払情報として、クレジットカード・デビットカードを登録すると、確認のために一旦1USD/1EURで請求が行われます。
カードが有効であることが確認できれば請求は取り消されますので、カード会社からカード使用の速報が来たとしても、実際に請求されることはありません。
なお、AWSの支払で利用できるクレジットカード・デビットカードとして、以下の通りです。
- Visa
- MasterCard
- American Express
- Discover
- JCB
- China Union Pay
電話やSMSによるアカウント認証ができない場合
電話はSMSによる本人確認が行えない時には、サポートを利用することもできます。
AWS Accountが有効化されていなくても、サポートを利用することはできますので、入力内容や受信端末に問題がないにもかかわらず、電話やSMSが受信できない場合には、以下の手順でAWSサポートを利用しましょう。
- 「ケースを作成する」ボタンをクリックします。
- 「アカウントと請求に関するサポート」にチェックを入れます。
- 「タイプ」で「アカウント」を選択します。
- 「カテゴリ」で「アクティベーション」を選択します。
- 「ケースの説明」に連絡を取れる日時を入力します。
- 「連絡先オプション」でチャットを選択します。
- 「送信」ボタンをクリックすれば、サポートケース作成は完了です。
AWS Accountを作成した後にするべきこと
ここでは、AWS Accountを作成した後すぐにやっておくべきことを解説します。
ここまでの手順で、AWSを運用すること自体は可能になっていますが、セキュリティ上やっておくべきことが残っています。まずは、ルートユーザーの安全を確保するために、MFAを有効化して二段階認証を導入しましょう。
また、ルートユーザーはリソースに対して無制限のアクセスが可能な上に、契約や請求に関わる情報にもアクセス可能で、普段の業務で使用するのはセキュリティ上問題がありますので、管理用のIAMユーザーの作成も行っておきましょう。
IAMユーザーの請求情報へのアクセス有効化と、IAMユーザーに請求情報に対するアクセス権付与を行うことで、IAMユーザーでも請求情報を管理できますので、ルートユーザーを使用する機会はほぼなくなります。
AWS利用の第一歩。まずはAWS Accountを作成しよう!
AWS Accountの作成はAWSを利用するための入口であり、第一歩です。
AWS Account作成の手順自体は単純なものですが、事前に用意しておくものや、検討しておくべきことが少なからずありますので、事前に準備を整えておきましょう。
また、AWS Account作成後に行うべきことも、セキュリティ上重要ですので、AWS Accountとセットで必ず実行しておきましょう。
この記事の監修者・著者

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未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞