この記事の目次
AWSとは?
AWSとは、Amazonの提供するWebサービスの総称で、正しくはAmazon Web Servicesといいます。
AWSは「パブリッククラウド」という形態のサービスを行っており、インターネットを介してAWSのコンソール画面へとアクセスすることで、多種多様な機能を利用することが出来ます。
AWSでは現在、細かく分けると700種類以上のサービスが提供されています。
AWS Pricing Calculatorとは?
AWS Pricing Calculatorとは、AWSの使用料金を計算するための公式ツールです。
AWSの料金システムは従量制なので、正確な料金は使用した後にしか知る事が出来ません。しかし、料金の見積もりが無いと社内稟議が通せないという場合も多いでしょう。
そのような時、AWS Pricing Calculatorを使えば、社内において想定される幾つかのパターンで見積もりを出すことが出来るのです。
この記事では、公式ツールを使って見積もりを出す方法について説明していきます。
ざっくりAWSとは?
AWS Pricing Calculatorならば、初心者でも正確な見積もりを簡単に出すことが出来ます。
ですが、曖昧でもいいので早急に測りたいという方には「ざっくりAWS」という非公式ツールを使う方法もおすすめです。
2つから6つの項目を入力するだけで、即座に概算が表示されるので、試しに使ってみて下さい。
最初に「ざっくりAWS」を使い、構成ごとの金額の差を確認し、最終的な構成の見積もりをAWS Pricing Calculatorで計算すると良いでしょう。
AWS Pricing Calculatorを使用する手順
ここからは、実際にAWSの公式料金計算ツールであるAWS Pricing Calculatorを使用し、見積もりを出す方法について説明していきます。
AWS Pricing Calculatorでは、Amazon EC2やAmazon Simple Storage Serviceなど、46種類のサービスごとに、料金の見積もりを出すことが可能です。
サービスによって料金体系が異なり、見積もりのステップも変わります。ここでは例として、Amazon EC2の見積もり例を紹介します。
手順1:公式ツールにアクセスする
まずは、AWS料金計算ツールであるAWS Pricing Calculatorのページへとアクセスして下さい。
初期設定では、言語が「English」となっています。日本語で見積もりの計算を進めるには、右上のタブの「English」を「日本語」に変更してください。
オレンジ色の「見積もりの作成」ボタンをクリックすると、いよいよ見積もりが開始します。
手順2:サービスの選択をする
次に必要となる作業が、サービスの選択です。サービス一覧の中から、見積もりを計算したいサービスの選択をして「設定」をクリックして下さい。
46種類あるサービスの中から目当ての物を探すのが難しい場合は、上部にある検索窓にキーワードを打ち込むことで、関連したサービスのみを絞り込む事が出来ます。
サービスを選択すると、見積もり条件の入力をする画面が表示されます。ここでは例としてAmazon EC2を選択します。
手順3:リージョンと見積もりの種類の選択をする
続いて、リージョンと見積もりの種類の選択をします。見積もりの種類には「クイック見積もり」と「高度な見積もり」の2つがあります。
「クイック見積もり」を選択すると、特定のインスタンス検索や最小要件に基づいた計算を、簡単かつ迅速に行うことが出来ます。
「高度な見積もり」を選択すると、ワークロード、データ転送のコスト、追加したストレージオプション、その他一般的ではないインスタンス要件を考慮した、より正確性の高い見積もりを出す事が出来ます。
手順4:OSの選択をする
次に、Amazon EC2インスタンスの実行をするOS(オペレーティングシステム)の選択をします。ここでは、Linux、Windows Serverなど、ご自身の利用しているOSを選択して下さい。
手順5:ワークロードと台数を設定する
次に、毎月のワークロードを示すグラフを選択します。選択肢には「一定の使用量」「毎日のスパイクトラフィック」「毎週のスパイクトラフィック」「毎月のスパイクトラフィック」の4つがあります。
例えば、月初めだけトラフィックの多いサイトの場合は、その期間のみインスタンスの台数を増やすなどといった設定が可能です。
「一定の使用量」を選択した場合は、ここで必要なインスタンスの台数を入力します。スパイクトラフィックを選択した場合は、そこで設定した条件に基づき台数の設定がされます。
手順6:インスタンスタイプの設定をする
次に、インスタンスタイプの設定をします。インスタンスタイプというのは、OSが載った仮想サーバーのタイプを指し、vCPUの数、GiB(メモリ容量)、Gbps(ネットワークパフォーマンス)の組み合わせによって決まります。
手順7:価格戦略の選択をする
次に、サービスをどのプランで契約するか「価格戦略」を選びます。
初期の設定では「EC2 Instance Savings Plans」が選択されていますが、割引の適用される前の通常料金を計算したい場合は「オンデマンドインスタンス」を選択して下さい。
実際に運用する際には、リザーブドインスタンスやSavings Plansを活用すると、通常料金と比べてコストを削減する事が出来ます。
リザーブドインスタンスやSavings Plansを選択した場合、前払い料金や年数などの設定が出来ます。割引プランを使用した時に、どれだけ得になるか調べたい場合には、こちらの項目を変更しつつ、コストの比較をすると良いでしょう。
手順8:ストレージ量の入力をする
次に、Amazon EC2インスタンスに使用するストレージ量を入力します。OS、ストレージ量、スナップショット頻度、スナップショットごとの変更量の設定が出来ます。
手順9:データ転送量の入力をする
最後に、データ転送量の入力をします。入力欄の種類には「受信データ転送」「リージョン内データ転送」「送信データ転送」の3つがありますが、この内の「受信データ転送」は料金がかかりません。
ここまでの入力を終えると、ページの最下部に見積もり料金の見積もりが表示されます。以上が、AWS Pricing Calculatorの基本的な使い方です。
手順10:サービスの追加をする
ここまで、一種類のサービスの料金を見積もる方法について説明してきました。しかし、複数のサービスを使用したい場合は、見積もりの内容を保存した上でサービスの追加をする必要があります。
算出した見積もりが表示されている画面の「Add to my estimate」というオレンジのボタンをクリックすると、算出した見積もりの保存が出来ます。保存すると「My Estimate」という画面に、保存した見積もりが反映されます。
見積もり内容に別のサービスをプラスするためには「サービスの追加」を選択し、見積もりを同様に作成して下さい。
サービス全ての見積もりが終了すると「My Estimate」の合計欄で、トータルの料金を確認する事が出来ます。
なお、前の画面に戻ると見積もりした項目が消えてしまうのでお気をつけ下さい。「保存および共有」ボタンを押すと、共有が可能なリンクを生成する事が出来ます。
AWS Pricing Calculatorを活用してみよう
この記事では、AWS Pricing Calculatorを使用する手順について説明してきました。
これまで使われていたSimple Monthly Calculatorというツールは、インタフェースが使いにくく、各項目に何を入力すれば良いのか分かりにくいというデメリットがありました。
しかし、AWS Pricing Calculatorを使えば、見積もり金額を正確かつ簡単に算出する事が出来ます。興味を持たれた方は、是非とも実際にAWS Pricing Calculatorを活用してみて下さい。
この記事の監修者・著者

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未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞
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