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メディアリテラシーとは何か
様々な情報の溢れる現代社会において、メディアリテラシーの習得は、一層重要視されています。特にエンジニア系の転職を考える際、メディアリテラシーのスキル習得は必須と言えるでしょう。
簡単に言うと、メディアリテラシーとは、「メディアから得た情報を見極めるスキル」のことを指します。つまり、「メディアの情報をそのまま鵜呑みにするのではなく、自分で情報の真偽性を確認し、取捨選択するスキル」のことです。
情報の発信者が不特定多数に及ぶ現代において、情報はいつも正しいとは限りません。虚偽の情報や、考えの偏ったもの、そして断片的な情報も多く存在します。
メディアリテラシーが養われていないと、虚偽の情報に踊らされるリスクが増幅します。また、虚偽の情報の発信者になってしまう場合もあります。そのような観点からも、メディアリテラシーのスキルを習得することは、必須なのです。
情報リテラシーとの違い
メディアリテラシーと共に、よく耳にするワードの1つに情報リテラシーというものがあります。メディアリテラシーとよく似た印象の言葉ですが、双方の言葉に、意味の違いはあるのでしょうか。
先にもお伝えしたように、メディアリテラシーとは新聞やインターネット、テレビなどの情報媒体から、正しい情報を取捨選択する能力のことを指します。一方で、情報リテラシーとは、取捨選択した情報を、正しく扱う能力全体のことを指します。
簡単に言うと、メディアリテラシーよりも情報リテラシーのほうが、言葉が示す能力の範囲が広いのです。
メディアリテラシーが活用される場面とは?
メディアリテラシーが活用される場面として、個人情報を取り扱うときと医療などに関係するとき2つの場面が挙げられます。
では、メディアリテラシーが活用される場面とはどんなものなのか、2つの具体例を参照しながら、をわかりやすく紹介していきます。
個人情報を取り扱うとき
SNSの普及に伴って、簡単にネットに意見や情報を発信ができる世の中になりました。しかし、ネットがより身近になる一方で、ネット上の個人情報に関するトラブルや事件が後を絶ちません。
特にSNS上には、多くの人の個人情報が溢れています。例えば友人が個人的な写真をアップロードしていたとして、本人に無断でスクリーンショットを他のメディアにアップロードすることは、本人の意に反して個人情報を広めることになってしまいます。
メディアリテラシーが正しく習得されていれば、他者の個人情報に触れたときに取るべき態度とはどんなものか、間違うことはないと言えます。
医療などに関係するとき
自らの健康状態に不安があるとき、病院を受診するより先に、ネットで該当する症状を探してみる方は多いのではないでしょうか。また、健康でいられるための方法を、ネットで調べて実践してみる方もいるでしょう。
しかし、そのような場面において、難しい日本語ばかりの医学論文を読むことは容易ではありません。
ネットには、様々な医学情報・健康情報が溢れています。虚偽の情報も多く存在し、情報の取捨選択を間違えれば、健康を損なう危険性もあります。
メディアリテラシーが習得できていれば、こういった医療情報を調べる場面でも虚偽の情報に踊らされることなく、情報の正確性を評価した上で入手し、よく理解して活用することができます。
メディアリテラシーの必要性3つ
では、メディアリテラシーはなぜ身につける必要性があるのでしょうか。その理由は、次の3つになります。
1つ目の理由は情報の偏りに対応するため、2つ目の理由は情報の発信を容易に行えるため、3つ目の理由は真偽不明の情報に惑わされないためです。
次からは、メディアリテラシーを身につける必要性とは何のためなのか、この3つの理由について紹介していきます。
1:情報の内容の偏りに対応するため
情報に溢れた現代社会においては、情報と同じ数だけ、発信者が存在します。たとえ情報自体が間違っていなくても、発信者の立場や視点によっては、内容が偏ることもあり得るのです。
なので、発信者の立場をよく理解した上で情報に向き合うことが、重要な態度と言えます。メディアリテラシーが身に付いていれば、情報の偏りに気づくことができます。必要な情報をより正確な形で、手に入れることができるのです。
2:情報の発信が容易に行える
SNSの普及に伴い、多くの人が情報の発信者になりうる時代になりました。しかしその一方で、不確定な情報が拡散されたり、誹謗中傷がより簡単にできるようになりつつあります。
情報の発信が容易に行える現代だからこそ、メディアリテラシーを身につけて、発信する情報が拡散しても良い内容であるのか、見極める必要があります。
3:真偽不明の情報に惑わされないため
スマホが普及した現代において、何か気になることがあったときにネットで検索して調べるというのは、とても便利で気軽な方法です。ネット検索をするとたくさんの情報が得られますが、情報の中には正しくないものや、真偽が不明な情報も多く存在します。
真偽不明な情報に出会ったときに、すぐに情報を信じるのではなく、その情報の裏付けを取ることがとても重要です。真偽不明な情報に惑わされないため、情報を見極め確認する能力、つまりメディアリテラシーが必要なのです。
メディアリテラシーを身につける方法4つ
ここまで、メディアリテラシーが活用される場面や、メディアリテラシーの必要性について紹介してきました。
では、メディアリテラシーを身につける方法とは、どんなものがあるのでしょうか。情報を吟味するために取るべき態度や、情報に対する知識を身につけるなど、メディアリテラシーを身につけるための4つの方法を次に紹介していきます。
1:同様の記事内容を比較する
メディアリテラシーを身につける方法の1つとして、ひとつの情報に関して複数の記事を比較する癖をつけるのがおすすめです。
これは先にお伝えした通り、情報には発信者によって内容の偏りがあるためです。また、複数の記事から得た情報を照らし合わせることで、情報の全体像を掴めることもあります。
2:参考文献や参考データを確認する
正しい情報を獲得するためには、情報の参考文献や参考データの有無を確認することが有効です。情報が本当に信頼できるものなのかどうかの目安として、情報に参考文献や参考データが明記してあることが挙げられるからです。
どのような情報に接するときも、参考文献や参考データを確認することは、メディアリテラシーを身につける方法と言えます。
3:事実か私見かの違いを見極められるようにする
世の中に溢れる情報の中には、事実だけでなく個人的な意見も存在します。情報を正しく受け取るために、情報が事実であるのか、それとも私見であるのか見極める能力が必要です。
情報を事実か私見かを見分けられるようになることは、メディアリテラシーを身につける方法の1つと言えます。
4:セキュリティやプライバシーに関する知識を増やす
メディアリテラシーを身につけるために、セキュリティやプライバシーに関する法律や条例など、必要な最低限のルールを勉強するという方法もあります。
メディアに関する知識を増やすということは、より一層情報発信に慎重になることができ、情報の拡散場面において情報の取捨選択ができるようになります。
メディアリテラシーの事例
続いて、メディアリテラシーの事例について紹介します。
2016年4月の熊本地震の直後、「動物園からライオンが放たれた」といった内容を、街中を歩くライオンの画像付きでTwitterの投稿した男性がいました。
この情報はまったくの作り話でしたが、地震直後の混乱した状況の中で情報を鵜呑みにした人々により、大々的に虚偽の情報が拡散され、さらなる混乱を呼んでしまいました。
メディアリテラシーが習得されていれば、このような虚偽の情報が拡散されたり、混乱が生じる事態は免れたと言えます。
メディアリテラシーの欠如によって考えられるリスク3つ
メディアリテラシーの欠如によって考えられるリスクとは、どのようなものがあるのでしょうか。
主張に一貫性がなくなってしまう、情報に振り回されてしまう、間違った情報の再生産に繋がってしまうというなど、メディアリテラシーの欠如によって3つのリスクが考えられます。
では、この3つのリスクとはどんな内容か、詳しく紹介していきます。
1:主張に一貫性がなくなってしまう
メディアリテラシーが欠如していると、情報の取捨選択が正しく行えません。情報が入るたびに意見を二転三転させることにもなり得ます。
メディアリテラシーが欠如しているがために、主張に一貫性がなくなってしまう危険性も考えられます。これでは、主張そのものに説得力がなくなってしまいます。
2:情報に振り回されてしまう
メディアリテラシーが欠如していると虚偽の情報に踊らされるリスクがあります。ネットでは発信者が多岐にわたるため、思い込みや誤解がそのまま公開されている場合も多くあるのです。また、悪意ある発信者から嘘の情報が発信されている場合もあります。
そのため、信頼できる情報源からの情報を入手するように心がけることが必要です。
3:間違った情報の再生産に繋がってしまう
メディアリテラシーが欠如していると、間違った情報の再生産に加担してしまうことがあります。先にお伝えした事例のように、デマの情報を確認することなく拡散してしまうことは、大きな混乱を招いてしまうのです。
情報を受け取るときだけでなく、情報を発信する場面においても、メディアリテラシーのスキルが必要です。
メディアリテラシーとはどのような意味なのかを理解しよう
以上、メディアリテラシーとは何か、メディアリテラシーが活用される場面やメディアリテラシーの必要性、メディアリテラシーを身につける方法などについてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
情報に溢れる現代社会においては、多くの人が情報の発信者にもなり得ます。情報を正しく取集、選択することができるように、メディアリテラシーの意味について今一度確認し、正しく理解していきましょう。
この記事の監修者・著者

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未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞
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