AWSとは
AWSというのは、Amazonから提供されている100種類以上のクラウドコンピューティングサービスのことをいいます。正式名称はAmazon Web Servicesです。
クラウドコンピューティングというのは、インターネットを通じて、ストレージ・サーバー・データベース・ソフトウェアなどといった、様々なコンピューターのサービスを使用することです。
クラウドコンピューティングは、手元にパソコンとインターネット環境があれば、サーバーやストレージ、データベースなどが、必要な時に必要なだけ使用出来ます。
AWS Kendra

近年、インターネットの急速な発達によって現在の社会は情報化社会と呼ばれており、ネットニュースやタイムラインから膨大な量の情報を得られるようになりました。
私たちが1日に得られる情報量は、江戸時代の人が一生かけて得られる情報量と同等と言われています。つまり、現代を生きる人々は、毎日果てしない数の情報を選別しながら生活しているのです。
しかし、これほど情報の量が多いとなると、自分にとって必要な情報を探したり、今持っている情報の整理をしたりするのが大変な手間になるという問題が生じてしまいます。
現在は調べ物をする際に、インターネットで検索をすればすぐに情報を見つけられます。ですが、自分が必要としている情報が他の関係無い情報と混ざってしまい、なかなか見つけることが出来ないということも考えられます。
自分の勤めている企業で、会社内での規約やルール、そして制度などは、その会社のドキュメントに記されています。しかし自分の探している情報を見つけられないといった経験は誰しもあるでしょう。
途方も無い量の情報がある中から、ユーザーが本当に求めている情報だけを提供したいという場合、機械学習での検索サービスの利用をするという解決策があります。
ここでは、Amazonによって提供されている機械学習による検索サービスAWS Kendraについて説明していきます。
AWS Kendraとは
AWS Kendraというのは、Amazonから提供されている、機械学習が原動力のエンタープライズ検索サービスを指します。
アプリケーションやウェブサイトへと自然言語検索機能の提供をしていて、使いやすさと精度の高さに定評があります。
自然言語検索機能というのは、検索するシステムへ特化している方法とは違い、人間として自然である話し言葉のような文章の入力をして、必要となる検索結果が得られる技術のことを言います。
自然言語を用いた質問の理解が出来る AWS Kendraを利用する事によって、データのどの場所からでも、より正確な情報を得ることが出来るのです。
例えば「富士山の高さはどれくらいですか」といったような自然言語の質問で検索をすると、AWS Kendra は「3,776メートルです」と、具体的な答えを返してくれます。
AWS Kendraの特徴

AWS Kendraの利用をする上で、覚えておきたい特徴が幾つかあります。
特に抑えておきたいのが、FAQ照合が可能で文書読解能力に長けていること、ドキュメントのランク付けが出来るということ、関連性チューニングが出来ること、クエリの自動補完が出来るということです。
サービスを使いこなすためには、正しい知識を身につけて理解を深めることが大切です。それでは1つ1つ説明していきます。
FAQ照合
AWS Kendraの特徴として、FAQ照合が可能であるということが挙げられます。
FAQというのは、Frequently Asked Questionという言葉の略称で、よく出される質問を想定し、それらに対しての回答をあらかじめ用意しておくといった意味で使われます。
よってAWS Kendraは、構造化のされていないデータから具体的な答えを導き出すことが出来るので、事前のトレーニングは全く必要なく、コンテンツのポイントをするようにAWS Kendraの設定をするだけで大丈夫です。
例えば「VPN の設定はどのようにすれば良いですか?」といったあいまいな自然言語の問い合わせに対してでもAWS Kendraならば、適切なドキュメントから自動で抽出して具体的な答えを提供してくれます。
ドキュメントのランク付け
AWS Kendraの特徴として、ドキュメントのランク付けが出来るというものが挙げられます。
AWS Kendraは、人間の行う作業をコンピューターへと覚えさせる機械学習の一つであるディープラーニングを行うことが可能です。
そして「検索ユーザーの意図や目的」を検索エンジンが正確に理解し、ユーザーが必要とするものに適した検索結果の提供をする検索モデルが使われているので、ランク付けのされた関連ドキュメントのリストが返されます。
このような機能によって、抽出した回答の補完をするので、より多くの情報が必要となる場合に検索することの出来る、さらに網羅的なコンテンツのリストがユーザーへと提供されるのです。
関連性チューニング
AWS Kendraの特徴として、関連性チューニングが可能というものが挙げられます。
AWS Kendraは、フォーラムやそれ以外のサポートタイプの「業務に関連する知見」を一つの場所に集めたデータベースによって、一般的投票もしくは表示の回数に基づくドキュメントをブーストしてチューニングします。
情報の新しさと更新回数、そして信頼性のより高いデータソースのブーストのサポートをしてくれるので、組み合わせによって、閲覧される頻度の高いドキュメントがチューニングされて表示されるようになります。
検索クエリの自動保管
AWS Kendraの特徴として、検索クエリの自動保管が可能であるということが挙げられます。
AWS Kendraには、エンドユーザーが検索窓に入力した語句を自動で補完する機能があります。これにより、ユーザーがキーボードに入力する手間を約4分の3まで減らすことが可能です。
それだけでなく、正確な質問、頻繁に尋ねられる質問に導くことにより、ユーザーをフォローしてくれます。正確な質問というのは、関連性がより一層高く、有益な答えへと繋がります。
例えば「富士山の」と入力し始めたとすると、Kendra はクエリの補完をするため「富士山の場所」または「富士山の高さ」などといったオプション、そしてその他のよくある質問の提案をしてくれるのです。
AWS Kendraの料金
Amazon Kendra の料金は、実際にサービスの使用をした分に対してのみ発生します。
使用要件や最低料金はなく、インデックスの作成をしてAmazon Kendra のプロビジョニングを行うことで、使っているエディションに応じAmazon Kendra を使用した時間の料金が課金されるというシステムになっています。
現在使用できるのは「Enterprise Edition」という「Edition」だけであり、およそ1時間あたり7ドルとなります。よって1か月あたりの料金は、7 x 24 x 30 = 5,040ドルとなります。
まとめ
以上のことから、AWS Kendraを社内で利用する場合、社内規約などによって求められているドキュメントと情報を、スピーディに探し出すことが可能になります。
それにより、社内業務における不必要な労力の削減が出来ます。そしてサービスとして使う場合はユーザーの必要としている情報を迅速に提供出来るようになります。
近年では、AIのチャットをホームページの問い合わせフォームに配置している企業も増えています。そういったシステムが全てAWS Kendraを使用しているとは言い切れませんが、同じような体験が出来ると言えます。
この記事をご覧になってAWS Kendraに関心が湧いたという方がいたら、是非実際に試してみて下さい。]]>
この記事の監修者・著者
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株式会社オープンアップITエンジニア
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未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞