2021/01/6

AWS Elemental MediaConvertとは?特徴や手順を紹介!

 
  

AWS Elemental MediaConvertとは


AWS Elemental MediaConvert は、AWSの提供する高機能なファイルベースの動画変換サービスです。

動画ファイルはH.264やH.265といったフォーマットで圧縮されていることが多いです。これに対して、例えばブロードキャスト配信などでは別のフォーマットが用いられることが多いです。

こういった場合に、動画フォーマットを別のフォーマットに変換する必要があることが多いでしょう。AWS Elemental MediaConvertは、こんな場合に、動画変換を簡単に行うことができるサービスです。

もちろん、動画変換を独自にシステムを構築して行うこともできます。この場合は、例えば自分でEC2インスタンスを立ち上げて、変換ソフトウェアをセットアップする必要があります。コストの予測も難しいし、手間がかかりますし、知識も必要です。

そこでAWS Elemental MediaConvertを使えば、動画の変換を簡単にクラウド上で行うことができます。

Amazon Elemental MediaConvertの特徴

Amazon Elemental MediaConvertは、ブロードキャストグレードの変換品質、幅広いフォーマット対応、リソースの自動ブロビショニング、高信頼性といった特徴をもった動画変換サービスです。

以下、Amazon Elemental MediaConvertの特徴についてそれぞれ詳細を説明します。

ブロードキャストグレードの変換品質
ブロードキャストグレードとは、放送局レベルの品質ということです。非常に高い画質を保った動画に変換出来ます。また、著作権保護、多言語音声対応、クローズドキャプション(字幕)のサポートなどのさまざまな機能を備えています。

幅広いフォーマット対応
AWS Elemental MediaConvertはAVC、HEVC、AV1、Apple ProRes、MPEG-2といった、ブロードキャスト用、ネット配信等に用いられる様々な入出力フォーマットに対応しています。
また、高画質なサンプリング(10bit 4:2:2)、4K/8K解像度、HDRといった最新のビデオ規格にも対応します。

リソースの自動ブロビショニング
動画変換処理の際にAWSのリソースを使用して行うわけですが、この管理は全自動で行われます。ユーザーとしては、通常の他のサービスと同じように、AWSマネジメントコンソールまたはAPIを使用するだけです。AWS Elemental MediaConvertを使う場合に、内部リソースに関する詳細を気にする必要はありません。

高信頼性
AWS Elemental MediaConvertでのタスクは、自動的に複数のアベイラビリティゾーンに分散されて実行されます。そして処理の状態な自動的にモニタされて、問題のあるコンポーネントがあれば交換されます。

Amazon Elemental MediaConvertの料金

AWS Elemental MediaConvertの料金は、従量課金のオンデマンドまたは、月額のリザーブド、から選択することができます。

オンデマンド料金の場合は、変換後のビデオファイルの時間数(分)に比例した金額によります。レートは、使用した機能によって変わります。最低金額や、前払い金は必要ありません。

リザーブド料金の場合は、最短12ヶ月契約と定額の月額料金で、AWS Elemental MediaConvertを使用できます。

Amazon Elastic Transcoder との違い

AWSでの動画変換サービスとしては、他にAmazon Elastic Transcoderというものも存在します。Amazon Elemental MediaConvertと、Amazon Elastic Transcoderはいくつか機能面での違いがあります。

・Amazon Elastic Transcoderでは、特定のスマホやタブレットでの再生のために最適化されたプリセットが用意されています。
・ウォータマーク(画像や文字のすかし)を動画内にオーバーレイすることができます。
・WebM出力、アニメーションGIF出力ができます。

逆に、Amazon Elastic MediaconvertではWebM,アニメーションGIF出力などは対応していま
せん。

どちらが良いということではなく機能面の違いがありますので、目的によってAmazon Elemental MediaConvertとAmazon Elastic Transcoderを使い分けると良いでしょう。

Amazon Elemental MediaConvertの手順

Amazon Elemental MediaConvertの手順は以下になります。

まずは、AWSのアカウントがセットアップ済みで、AWSマネジメントコンソールにログインできているものとします。

ステップ 1: 入出力ファイル用のストレージを作成する
Amazon S3 コンソールを使用してバケットを作成します。
AWS Elemental MediaConvert は、Amazon S3 または HTTP か HTTPS を使用するサーバーからの入力ファイルを受け入れることができます。また、変換後のファイルもAmazon S3に出力することができます。そこで、ここではAmazon S3に入出力ファイルのバケットを作成します。

ステップ 2: IAM のアクセス許可をセットアップする
Amazon Elemental MediaConvert が S3 バケットに対する読み込みと書き込みアクセスが出来る必要があります。そこで、相当する Identity and Access Management (IAM) ロールを作成します。具体的には、IAM 画面から「ロールの作成」をクリックし、「Media Convert」を選びます。するとS3へのフルアクセス権限がついていますので、このまま進みます。

ステップ 3: ソースファイルをアップロードする
Amazon S3 コンソールから、Amazon S3 バケットに変換元の動画ファイルをアップロードします。

ステップ 4: ジョブを作成する
AWS Elemental MediaConvert のコンソールより、ジョブを作成します。
入力ファイル、出力先、解像度、ビットレートを設定します。
また、作成したIAMロールを選択します。
一通りの設定を行って設定を押すと、ジョブを作成することができます。

ステップ 5:出力確認
ジョブのステータスがCOMPLETEになっていることを確認したのちに、出力先のS3バケットをアクセスします。

ここでは、コンソールからのAmazon ElementalMediaConvertの使用手順を示しましたが、もちろんCLIやAPIからアクセスすることも可能です。使用目的に応じて最適な方法を検討するとよいでしょう。

Amazon Elemental MediaConvertのまとめ

Amazon Elemental MediaConvertについて紹介しました。Amazon Elemental MediaConvertは高機能な動画ファイル変換サービスです。

放送局レベルの高い画質を保った動画変換が出来、著作権保護、多言語音声対応、クローズドキャプション(字幕)のサポートなどのさまざまな機能を備えています。

またAVC、HEVC、AV1、Apple ProRes、MPEG-2といった、ブロードキャスト用、ネット配信に用いられる様々な入出力フォーマットに対応しています。

さらに動画変換処理の際に用いるAWSのリソース管理は全自動で行われ、ユーザーはリソースに関する詳細を気にする必要はありません。

料金はオンデマンドと月額料金を選ぶことができます。また、似たサービスでAmazon Elastic Transcoderという少し似たサービスもあります。こちらは機能が少し違うので、目的に応じて選ぶとよいでしょう。

ITエンジニアへのキャリアチェンジならキャリアチェンジアカデミー

この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニア
未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞

おすすめの動画

  • 【未経験からIT業界へ転職するなら】相談窓口とスキルの獲得はここで解決!IT転職が一気に有利に!【キャリアチェンジアカデミー】

  • 【費用一切不要】未経験からIT業界へ転職するならまずはここへ相談!【キャリアチェンジアカデミー】

  • 【何のエンジニアになれるのか?】未経験からITエンジニアを目指すとこんな道がある【キャリアチェンジアカデミー】