フリーランスエンジニアの現実とは?メリット8つとデメリットを解説

 
  

フリーランスエンジニアとは

フリーランスエンジニアとは、特定の企業のような組織に属さずに、個人の力で仕事をしているエンジニアのことです。

個人で仕事をするので、自由に仕事時間を選んだり、やりたい仕事を選んだりすることなどができます。ただし、仕事の獲得から納品までの管理をすべて自分で行ったり、仕事への責任も負ったりなどもします。

そのため、自由な働き方を求めてフリーランスエンジニアになったが、現実では思うように仕事ができないという状況にならないためにも、フリーランスエンジニアの現実やメリットとデメリットなどを事前に把握しておきましょう。

フリーランスエンジニアの現実3つ

フリーランスエンジニアとして仕事をしていくためには、個人で仕事を獲得していく必要があります。しかし、フリーランスエンジニアの仕事はアルバイトのように簡単に仕事を得ることはできません。

フリーランスエンジニアには能力や年齢などのいろいろな壁があります。フリーランスエンジニアとして仕事をしていくためにも、まずはフリーランスエンジニアの現実を把握しておく必要があります。

フリーランスエンジニアの現実1:年齢

フリーランスエンジニアとして仕事を獲得するためには、エンジニアとしての能力や実績が必要になります。そのため、30代までは会社で働き、スキルや人脈を身につけたうえで30代〜40代でフリーランスエンジニアとして独立するという流れが多いです。

しかし、エンジニアの仕事は過酷なことで有名であり、気力や体力が必要です。40代を超えてくると、その体力や気力が落ちてくることもあるので、50代を超えてくると、フリーランスエンジニアとしての需要が徐々に減っていきます。

50代以降でもフリーランスエンジニアとして活躍している人も多くいますが、年齢を重ねるほど、相応の実績や能力を持っていないと仕事を獲得していくことは難しくなります。

フリーランスエンジニアの現実2:難易度

フリーランスエンジニアとして独立をするために必須となる資格はありません。そのため、極端な場合であれば、エンジニアの仕事が未経験でもフリーランスエンジニアとなり、仕事を始めることはできます。

ただし、フリーランスエンジニアは自分で仕事を獲得する必要があり、仕事を獲得するためには能力や実績、信頼などがないといけません。

そのため、フリーランスエンジニアは独立だけであれば難易度は低いですが、仕事を獲得していくことにその難しさがあります。

フリーランスエンジニアの現実3:案件獲得のハードル

フリーランスエンジニアは仕事を獲得していくことに難しさがあります。しかし、エンジニアの需要の高まりや、クラウドソーシングの普及などによってフリーランスエンジニアは近年では少し案件獲得のハードルは下がってきています。

ただし、フリーランスエンジニアは会社に属さず個人として活動をしているので、クライアントからの信頼を獲得することが難しかったり、エンジニアとしてのスキルがあっても営業の能力が足りずに仕事が獲得できなかったりという場合もあります。

フリーランスエンジニアの仕事

この章では、フリーランスエンジニアの基本的な概要について見ていきましょう。主に、エンジニアという職業の種類や業界について学んでいきます。

フリーランスエンジニアの種類

フリーランスエンジニアと言っても、実はその種類はさまざまなタイプがあります。

今回はIT系のエンジニアだけに絞っていますが、それでもバックエンド側とフロントエンド側だけでもいくつかの種類に分かれるうえ、業務システム関連や組み込み系などによっても変化します。

主な種類としては以下のようになります。

・インフラエンジニア
・フロントエンドエンジニア
・バックエンドエンジニア
・システムエンジニア
・フルスタックエンジニア
・組み込みエンジニア

上記のようにいくつかの種類に分かれるわけですが、なかにはフルスタックエンジニアのように複数の種類を組み合わせて幅広く対応できるエンジニアもいます。

企業によっては上記のような区分けをしていない場合もあり、それぞれの職種だけに特化する場合は知識・スキルがかなり高くないと実際の案件を獲得するのは難しいケースが多いでしょう。そのため、幅広く対応できるように学習を続けていくのが重要です。

フリーランス求人の多い業界

IT系のフリーランスエンジニアが案件を獲得する際に、現実的な仕事として活躍する業界はどこが多いのでしょうか。

そこで、大手の求人サイトで提供されている案件を複数調査・集計したところ、以下のような業界が定番であることが分かります。

・ゲーム関連
・医療・福祉
・通信・業務系
・保険サービス関連
・銀行関連
・物流・小売
・官公庁
・銀行・金融

他にもいくつかありますが、大抵の場合は上記の業界に関連しているものになります。

案件内容もさまざまな種類があり、単純なWebサイトを作成するものからEC系のサービス構築、スマホアプリ、サーバー構築、ゲーム制作、ビッグデータ、機械学習、IoT…などを活用した技術が求められています。

逆に言うと、案件が豊富に存在するため自分の知識・スキルに合ったものを見つけやすいとも言えます。

フリーランスエンジニアのメリット・デメリット

この章では、フリーランスとして活動するうえでのメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。それぞれ良い点・悪い点を把握することで、自分がフリーランスとして向いているかを冷静に判断できるようになります。

フリーランスエンジニアのメリット7つ

フリーランスエンジニアになる人は増えてきています。その理由には、フリーランスという働き方が認知されて定着してきたことや、IT業界の慢性的な人手不足などの世の中の流れが影響している部分があります。

しかし、世の中の流れだけでなく、フリーランスエンジニアになる人が多いということは、フリーランスエンジニアになることに対して、それだけメリットを感じる人が多いということでもあります。フリーランスエンジニアになることで、いろいろなメリットを得ることができます。

フリーランスエンジニアのメリット1:働く場所が自由

エンジニアの仕事は環境が整っていれば、出社をしなくても仕事をすることができます。そのため、リモートワークやテレワークなどに対応している案件を受注すれば、クライアント企業へ毎日出社する必要はありません。

環境が整っていれば、どこでも仕事をすることができるので、仕事をする場所を自由に選ぶことができます。在宅勤務に対応できれば、家事や子育てなどにも対応しやすくなります。

フリーランスエンジニアのメリット2:時間にとらわれない

エンジニアの仕事は環境が整っていれば、どこでも仕事をすることができます。そのため、受注する案件によっては、クライアントへ毎日出社するという必要がなくなる場合もあります。

そのため、自宅と会社の往復の時間がなくなり、有効に使える時間が増えます。また、出社の必要がないので、始業時間から就業時間まで拘束されるということもなく、自分で仕事のスケジュール管理を行うことができ、時間にとらわれない仕事の進め方ができます。

フリーランスエンジニアのメリット3:自分で経費の管理ができる

フリーランスエンジニアになれば、個人で活動を行うことになります。そのため、会社と違って経費も自分で管理することにもなります。

制限はありますが自分で経費を管理するので、会社では経費として認められなかったものも、経費として支出にすることができます。

フリーランスエンジニアのメリット4:自分のペースで仕事を進められる

エンジニアの仕事は環境が整っていれば、どこでも仕事をすることができます。そのため、フリーランスエンジニアはリモートワークやテレワークなどに対応した案件が受注できれば、仕事をする場所も、仕事をする時間も、自分で決めて管理をすることができます。

そのため、仕事のスケジュール管理も自分で行うことになるので、会社員のように決められた時間と場所でする必要がなく、自分のペースで仕事を進めていくことができます。

フリーランスエンジニアのメリット5:人間関係を気にしなくてよい

フリーランスエンジニアは受注する案件によっては毎日出社する必要がなくなります。そのため、職場で人と接するという機会が減るので、人間関係に悩みにくくなります。

また、クライアント先に通う場合であっても、フリーランスエンジニアは社員ではないので、上司や後輩などの上下関係はありません。クライアント先の社員と接する際にはマナーが必要となりますが、煩わしい人間関係を気にすることもありません。

フリーランスエンジニアのメリット6:家事・子育てに協力しやすい

フリーランスエンジニアは、受注する案件によっては出社する必要がなく、自宅で仕事をすることもできます。また、仕事の時間も自分で管理をすることができます。

そのため、家事や子育て、介護などで家から離れることができないという事情を持つ人であっても、仕事をすることができます。

家のことと、仕事を両立させることができることもフリーランスエンジニアが増えている理由の1つとなっています。

フリーランスエンジニアのメリット7:高収入を得られる可能性がある

フリーランスエンジニアが仕事をすれば、その報酬は会社員のように会社を通してもらうわけではなく、クライアントから直接受け取ることになります。会社を通さないので、福利厚生や管理費の給与の天引きなどがない状態で報酬を受け取ることができます。

そのため、会社員とフリーランスエンジニアがまったく同じ仕事をした場合、高収入となるのはフリーランスエンジニアとなります。

また、確定申告や経費の管理なども自分で行うので、細かなやりくりをすれば、さらに手元にお金を残すことができる場合もあります。

フリーランスエンジニアのデメリット8つ

フリーランスエンジニアになることで得られるメリットは多くあります。そのメリットを得るためにフリーランスエンジニアを目指す人もいます。しかし、フリーランスエンジニアになることにはメリットだけでなく、デメリットもあります。

そのため、フリーランスエンジニアになることを検討している場合、フリーランスエンジニアになることに対してのメリットとデメリットの両方を把握しておく必要があります。

フリーランスエンジニアのデメリット1:収入が保障されない

会社員であれば、毎月決まった額の給料をもらうことができます。しかし、フリーランスエンジニアは自分で仕事を獲得して報酬を得なければなりません。

そのため、思うように仕事が得られなければ、それだけ収入が下がってしまうということになります。また、契約内容によっては仕事を終えてから数ヶ月後に報酬をもらうということもあります。

フリーランスエンジニアは仕事の増減や、報酬のタイミングなどによって、収入の多い月や少ない月があったり、場合によっては収入が保証されていないので収入のない月がある可能性もあります。

フリーランスエンジニアのデメリット2:社会的信用を得づらい

会社員であれば、企業に勤めているということで社会的信用を得ることができます。しかし、フリーランスエンジニアの場合は企業などの組織に属さずに個人で活動をしています。そのため、会社員という形での信用を得ることができません。

また、フリーランスエンジニアは収入に保証がなく不安定であったり、独立したばかりでは実績もなかったりするので、社会的信用を得ることが難しいです。社会的信用がないことで、ローンや金融機関などの審査に通りにくくなってしまいます。

フリーランスエンジニアのデメリット3:人間関係を広げていくのが大変

フリーランスエンジニアは個人で活動をします。そのため、会社員のように職場で仲間と協力をして仕事をしたり、会社の繋がりで人脈の幅を広げたりなどができません。

クライアントと接しながら仕事をすることもありますが、クライアントとは仕事上のコミュニケーションが中心となります。

そのため、フリーランスエンジニアが人脈を広げていくためには、意識して積極的に人脈を広げていく活動を行う必要があります。

フリーランスエンジニアのデメリット4:仕事の幅を広げるのが難しい

企業に勤めていれば、いろいろな仕事に関わる機会があるので、仕事をしながらその幅を広げていくことができます。

しかし、フリーランスエンジニアの場合は自分で仕事を獲得する必要があります。そのため、収入を得るためにどうしても自分の得意分野に仕事内容が偏ってしまいます。

同じ業務を続けてスキルアップをすることも重要ですが、仕事が偏っていることで新しいスキルや実績が身につかないため、フリーランスエンジニアは仕事の幅を広げていくことが難しいです。

フリーランスエンジニアのデメリット5:環境を整える必要がある

企業に勤めていれば、会社の環境を利用して仕事をすることができます。しかし、フリーランスエンジニアの場合は、仕事をするために自分で環境を整えなくてはいけません。

業務内容によってはパソコンやネット環境さえあれば仕事ができるという場合もありますが、他にソフトや機器、事務所などが必要な場合は開業準備の1つとして、環境整備を行わなければいけません。また、それらにかかる開業準備費も準備する必要もあります。

フリーランスエンジニアのデメリット6:手続きなどの手間がかかる

フリーランスエンジニアは個人で活動をするので、請求書や領収書の発行などの経理を自分で行う必要があります。また、クライアントとは報酬だけでなく契約のやりとりなども行います。他にも税金や保険などの手続きに関することも自分で行わなければいけません。

会社員であれば、これらの面倒で複雑な手続きは会社の方でやってくれているものもあります。それらを自分で行うようになるので、手間がかかってしまいます。

フリーランスエンジニアのデメリット7:実績を積む必要性

フリーランスエンジニアが仕事を獲得するためには、クライアントからの信頼を得る必要があります。そのクライアントから信用を得るための要素の1つとして、実績があります。

実績を積むことで、企業からの信頼が得やすくなり、高単価の仕事を受注できる可能性を高めることができます。

しかし、実績を積むまではなかなか高単価の仕事が得られませんし、実績を積むために仕事を得ようとしても、その仕事を得るためには実績が必要になってしまいます。

フリーランスエンジニアのデメリット8:大きな案件を受注しにくい

フリーランスエンジニアが単価の高い大きな案件を受注するためには、クライアントからの信用を得るために実績を積む必要があります。しかし、その実績を積むための仕事を得るためにも、また実績が必要になります。

そのため、小さな案件を中心に受注するような状況が続き、小さな案件は低単価なので収入も思うように上がっていきません。収入が思うように上がらないことで、会社員の方が良かったと感じてしまう人もいます。

案件を獲得する方法

この章では、フリーランスとして活動するための案件をどのように獲得すれば良いのかについて見ていきましょう。主に、エージェント経由での獲得と自分自身によるアウトプットで獲得する方法を学んでいきます。

エージェント経由で案件を獲得する

案件を獲得するもっとも簡単な方法は、フリーランスエンジニア向けの求人サービスを活用することです。

企業側と仲介してくれるサービスが多く、専任のエージェントから連絡をもらって最終的に案件を獲得するまでをサポートしてくれるところが良いでしょう。

フリーランスエンジニア向けの案件を豊富に揃えているサービスとしては、以下のサイトがおすすめです。

・レバテック
・PROsheet
・ITプロパートナーズ

いずれのサービスも、自分の知識・スキルにピッタリ適した案件を検索できる機能が搭載されています。

例えば、得意なプログラミング言語や業種、働ける場所、週に何日稼働できるか、希望の報酬…など、細かい設定をして案件を絞っていくことができます。

最終的に気になる案件を見つけられたら、そのまま応募することでサービス側から連絡をもらって契約までをサポートしてくれます。また、さまざまな疑問や悩みにも答えてくれる場合があるので、不安な要素はできるだけ解消しておくと良いでしょう。

他にも、クラウドソーシングとして【クラウドワークス】【ランサーズ】というサービスを活用する方法もあります。

手軽に案件を獲得できて便利なのですが、こちらは契約まで自分自身ですべて行う必要があり、企業案件だけでなく一般の個人からの依頼もあり案件交渉が難しい場合もあります。

自身のアウトプットで案件を獲得する

最近のフリーランスで活動している方は、SNSやブログなどを駆使して知名度を高めながら案件を獲得するというケースが増えています。

例えば、TwitterやInstagramのフォロワー数を増やして固定ファンを獲得することで、自分の意見や発言に影響力を増していくパターンです。もちろん、日頃から自分がどのような仕事をしていて、どんな案件なら解決できるかを意識的に広めておく必要はあります。

これはブログの場合でも似ており、専門的な知識を活かして学習したい人に効果的な情報を記事として公開することが重要です。

いずれの場合も、固定ファンを獲得するまでに時間が掛かるのがデメリットなのですが、逆に言うとそれ以外はメリットでしかないので実行した方が良いでしょう。

他にも、フリーランスエンジニアとしておすすめのアウトプットは以下の通りです。

・SNSでファンを獲得する
・ブログで学習コンテンツを公開
・GitHubでコードやプロジェクトを公開
・オープンソースに参加する
・イベントの開催・登壇
・Qiitaに記事を公開

GitHubに関しては、ほぼすべてのITエンジニアが閲覧しているくらい人気のサイトであり、自分自身のスキルを判断してもらうための材料としても機能します。自分が書いたソースコードを公開するだけでなく、個人開発したプロジェクトやマークダウンで書いた記事なども合わせて公開すると効果的でしょう。

Qiitaはエンジニアがブログ記事を共有できる唯一のサイトで、プログラミングに関する記事が拡散されやすいのが特徴です。また、コメントでコードの誤りや他のエンジニアからの意見も得られるのでおすすめです。

また、効果的なのがイベントを自分で開催したり、規模の大きなイベントの登壇者として出演したりすることです。これにより、一気に知名度が高くなるだけでなく人脈や企業との繋がりが生まれやすくなるというのがポイントでしょう。

フリーランスエンジニアに向いている人の特徴

フリーランスエンジニアは場所や時間、仕事内容などを自分で決めることができます。しかし、フリーランスエンジニアは個人で活動をすることになるので、自分で仕事を獲得したり、自分で能力や実績を身につけたりしていく必要があります。

そのため、高い成長意欲が維持できる人やポジティブな思考を持っている人、将来の目標が明確にある人、自己管理が上手な人、状況の変化や環境に柔軟な対応できる人などがフリーランスエンジニアには向いているでしょう。

フリーランスエンジニアの現実を理解して技術向上を目指そう

フリーランスエンジニアになるという人は増えてきています。フリーランスエンジニアになることにはそれだけのメリットがあるということです。

しかし、フリーランスエンジニアになることには、メリットだけでなくデメリットもあります。そのため、フリーランスエンジニアになることを検討しているのであれば、フリーランスエンジニアの現実を理解して、実績と能力を積み続ける覚悟を持ちましょう。

ITエンジニアへのキャリアチェンジならキャリアチェンジアカデミー

この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニア
未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞

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