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AWSとは?

AWSのネットワークインターフェース

ENIとは?
VPCを使用すれば、仮想的なプライベート環境へとEC2でサーバーを立ち上げる事が出来ます。このような環境において、ネットワークインターフェースをVPCに対して追加する役割を持つのがENIです。 ENIとは、物理的環境におけるNIC(Network Interface Card)の事を指します。NICの場合、複数枚サーバーに挿すことで、サーバーの持つ役割それぞれにIPアドレスを持たせたり、異なるセグメントの間で1台のサーバーを稼働させたりすることが出来ました。 ENIを使えば、NICと同じ様なネットワーク設定が仮想的環境で出来るようになるという訳です。昨今では、場所を問わず仕事の出来る環境を提供する「テレワーク」が普及している事から、ネットワークへの要求レベルは上昇しています。 ユーザーの需要に答えるためにも、NICを用いたネットワーク設定をする必要があると考えられます。インスタンスを選ぶ時の注意点
仮想環境にあるといっても、EC2上にて構築される仮想インスタンスは物理的サーバーです。そのため、選択するインスタンスによって設定の出来るIPアドレスの数に制限が生じるので注意が必要になります。 仮想インスタンスに設定するネットワークインターフェースの数や、IPアドレスの数も考慮して、インスタンスタイプの選定をすると良いでしょう。AWSでENIを利用して出来る事3点

出来る事1:ネットワークインターフェースの増加
物理的環境でネットワークインターフェースを増加させたい時には、NICをサーバーに挿す必要がありました。 しかしAWSならば、ENIに対してIPアドレスやMACアドレスの登録などの設定を行うことでネットワークインターフェースの作成をし、それを仮想インスタンスに付けたり外したりする事を全てWebブラウザ上で実行出来ます。 ただし仮想インスタンスには「eth0」というネットワークインターフェースがデフォルトで設置されています。このネットワークインターフェースは、取り外しが出来ないので注意が必要です。 仮想インスタンスに対してのネットワーク設定は、まずデフォルトのネットワークインターフェースに対して実行し、ネットワークインターフェースを追加したい場合に、ENIを追加すれば良いでしょう。出来る事2:管理用ネットワークの作成
ENIの追加をして使う必要がある物として、管理用ネットワークの作成があります。 ユーザーのアクセスについては、デフォルトのネットワークインターフェースによって受け付け、メンテナンスなどの管理を目的としたアクセスは、ENIによって追加したネットワークインターフェースを用いて、管理者用のパソコンからのアクセスだけを受け付けます。 このようにユーザーのアクセスと管理者のアクセスを区別することで、セキュリティを強化することが可能となります。出来る事3:ネットワークインターフェースの冗長化
ENIでネットワークインターフェースを追加する事で、ネットワークインターフェースの冗長化が出来ます。 稼働系ネットワークインターフェースに障害が生じた場合、待機系インターフェースへと切り替わるプログラムコードを稼働させておくことも出来ます。 このようなシステムを実現する事で、障害が生じた際に、プライベートIPアドレスやElastic IPアドレス、そしてMACアドレスを待機系ネットワークインターフェースへと引き継ぎ、ダウンタイムを抑えながらサービスの継続が出来るのです。ENIの利用とAWS料金の関係

料金に関する注意点
「Elastic IP」という固定グローバルIPアドレスを、追加したネットワークインターフェースへと割り当てる際に追加費用が生じる事があります。 仮想インスタンスに1つの「Elastic IP」を割り当てるなら無料ですが、複数を割り当てる場合に追加費用が生じるので注意して下さい。 また、ネットワークインターフェースを複数追加するため、数多くのネットワークインターフェースを追加する事の出来るインスタンスモデルを選んだ場合、AWSの利用料金が上がる事も覚えておかなければいけません。 まとめると、ENIを利用する場合、直接的に料金が増加する事はありませんが、トラフィックの増加や「Elastic IP」の追加などを介して、間接的に料金が増加する可能性があるという事です。ネットワークインターフェースを柔軟に設定しよう

この記事の監修者・著者

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未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞