この記事の目次
AWSとは
AWSとは、Amazon Web Servicesの略称で、Amazonが提供するクラウドコンピューティングサービスの総称を示す言葉です。
クラウドコンピューティングとは、インターネットを用いて、サーバー・ストレージ・データベース・ソフトウェアなどの、様々なコンピューターサービスを使うことを指します。
クラウドコンピューティングなら、手元に1台のパソコンと、インターネットにアクセスの出来る環境さえあればサーバー、ストレージ、データベースを必要なだけ利用する事が出来るのです。
AWS xrayとは
AWS xrayとは、本番環境および分散アプリケーションの分析やデバッグが出来るようになるサービスです。
AWS xrayを使用すると、アプリケーションやそのベースとなるサービスの状況を把握して、パフォーマンスにおける問題やエラーの原因を特定し、問題解決を行うことが出来ます。
AWS xrayは、アプリケーションの中で転送されるリクエストが端から端まで表示され、アプリケーションのベースとなるコンポーネントマップも表示されます。
AWS xrayがあれば、開発中なのか本番環境なのかにかかわらず、単純な3層アプリケーションから、数千ものサービスにより構成される難解なマイクロサービスアプリケーションまで、様々なアプリケーションを分析することが出来ます。
AWS xrayで出来る事3つ
AWS xrayを使用する事によって出来ることは大きく分けて3つあります。サービスマップの作成、エラーとバグの特定、独自の分析と可視化アプリケーションの作成です。
以下にてそれぞれ詳しく説明していきます。
出来る事1:サービスマップの作成
AWS xrayを使用する事によって出来ること1つ目は、サービスマップの作成です。
アプリケーションに対してのリクエストを追跡し、アプリケーションにより使用されるサービスマップを作成します。これによって、アプリケーション内でのサービス間の繋がりを把握することが出来ます。
それにより、依存性ツリーの構築、複数のAWSアベイラビリティーゾーンもしくはリージョン間にて発生するレイテンシーおよびエラーの検出、正常に実行していないサービスの把握などが行えるのです。
出来る事2:エラーとバグの特定
AWS xrayを使用する事によって出来ること2つ目は、エラーとバグの特定です。
アプリケーションに対してのリクエストそれぞれの応答コードが分析されて、アプリケーション内でのエラーとバグが自動で検出されます。
これによって、エラーとバグを再現することなく、アプリケーションのコードを簡単にデバッグする事が出来ます。
出来る事3:独自の分析と可視化アプリケーションの作成
AWS xrayを使用する事によって出来ること3つ目は、独自の分析と可視化アプリケーションの作成です。
AWS xrayにて用意されたクエリ APIのセットを使い、AWS xrayによって記録されたデータに基づいた独自の分析と可視化のためのアプリケーションを作成する事が出来ます。
AWS xrayを利用するメリット5点
AWS xrayを使用する上で、知っておきたいメリットが5つあります。
リクエスト動作の確認が出来る点、アプリケーションの問題を検出出来る点、アプリケーションのパフォーマンスを向上させられる点、様々なAWSサービスと連携する点、様々なアプリケーション向けの設計が出来る点です。
サービスを使いこなすためには、正しい知識を身につけて理解を深めることが大切です。それでは1つ1つ説明していきます。
メリット1:リクエスト動作の確認が出来る
AWS xrayを使用するメリット1つ目は、リクエスト動作の確認が出来る点です。
AWS xrayは、アプリケーション全体にて転送されるユーザーリクエストのトレースをします。アプリケーションを作成するそれぞれのサービスおよびリソースにより生成されるデータが集められるため、アプリケーションの状況を端から端まで確認する事が出来るのです。
メリット2:アプリケーションの問題を検出出来る
AWS xrayを使用するメリット2つ目は、アプリケーションの問題を検出出来る点です。
AWS xrayを使用すると、アプリケーションの状況に関するインサイトを収集して、問題の原因を調査する事が可能となります。
AWS xrayの搭載するトレース機能を使用してリクエストのパスを辿る事で、パフォーマンストラブルの原因と、問題に関するアプリケーションの場所を特定する事が出来ます。
また、AWS xrayには注釈機能があるので、トレースにメタデータを付けられます。これによって、トレースデータへとタグを付けてフィルタリング出来るため、パターンを見つけて問題の診断が可能です。
メリット3:アプリケーションのパフォーマンスを向上させる事が出来る
AWS xrayを使用するメリット3つ目は、アプリケーションのパフォーマンスを向上させる事が出来る点です。
AWS xrayを使用する事で、パフォーマンスのボトルネックを特定する事が出来ます。AWS xrayのサービスマップによって、アプリケーション内でのサービスおよびリソースの関係がリアルタイムで表示されます。
高いレイテンシーの発生している地点を容易に検出して、サービスのノードやエッジのレイテンシーのディストリビューションを目に見えるようにする事で、アプリケーションのパフォーマンスへと影響を及ぼす特定のサービスやパスを、1つずつ掘り下げることが可能です。
メリット4:様々なAWSサービスと連携する
AWS xrayを使用するメリット4つ目は、様々なAWSサービスと連携する点です。
AWS xrayは、Amazon EC2、Amazon ECS(Amazon EC2 Container Service)、AWS Elastic Beanstalk 、AWS Lambdaと連携します。
Java、Node.js、そして.NET にて記述し、それぞれのサービスにデプロイしたアプリケーションへと、AWS xrayを使用する事が出来ます。
メリット5:様々なアプリケーション向けの設計が出来る
AWS xrayを使用するメリット5つ目は、様々なアプリケーション向けの設計が出来る点です。
AWS xrayは、開発中なのか本番環境なのかにかかわらず、単純なアプリケーションでも複雑なアプリケーションでも使用する事が出来ます。
非同期の単純なイベントの呼び出し、3層からなるウェブアプリケーション、数千ものサービスにより作成された複雑なマイクロサービスアプリケーション等、様々なアプリケーションの分析が可能です。
さらに、AWS xrayを使用する事で、複数のAWSアカウントやリージョン、アベイラビリティーゾーンへと跨ったアプリケーションに向けて行われたリクエストのトレースも出来ます。
AWS xrayの料金
AWS xrayの利用に、前払い料金や最低料金の支払い義務はありません。記録、取得、そしてスキャンされたトレース数に基づき、使用した分のみの料金が生じる従量制料金となっています。
トレースはアプリケーションに対してのリクエストで、その他のサービスへの呼び出しおよびデータベースへの接続など、データポイントが複数含まれる事があります。
AWS xrayを活用しよう
この記事では、AWS xrayについて説明してきました。
AWS xrayには、パフォーマンスにおける問題やエラーの原因を特定し、問題解決を行うことが出来るなど、様々な利点がありました。
AWS xrayを利用する事で、開発中なのか本番環境なのかにかかわらず、単純な3層アプリケーションから、数千ものサービスにより構成される難解なマイクロサービスアプリケーションまで、様々なアプリケーションを分析することが出来ます。
興味を持たれた方は、是非ともAWS xrayを導入し、実際に活用してみて下さい。
この記事の監修者・著者

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未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞
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