IT業界への転職は未経験では厳しい?転職するメリットとIT業界の職種13選

 
  

IT業界の現状と将来性は?


IT業界は人材不足であると言われていますが、不足すると予想される人数は、IT業界の市場の成長規模や、各ITエンジニアの生産能力によって異なります。

経済産業省の試算では、市場のIT需要が低くてIT人材の生産性が高い場合は、不足ではなく7.2万人の余りが生じると言われています。しかし、市場のIT需要が高くてIT人材の生産性が低い場合は、2030年までに78.7万人不足すると試算されているのです。

今後も市場のIT需要が増加する傾向が続けば、スキルのあるエンジニアの需要も高く、ITは将来性のある業界と言えるでしょう。

出典:IT人材需給に関する調査|経済産業省
参照:https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/houkokusyo.pdf

IT業界へ転職するメリット・デメリット


IT業界に転職することを検討している人にとって、転職するメリット・デメリットは気になるポイントでしょう。

IT業界に転職するメリットは、専門スキルが身に付き、在宅ワークを含む多様な働き方ができるという点が挙げられます。

一方で転職するデメリットは、IT業界は変化が激しく、新しい知識やスキルについていくための努力が常に求められ、業務も多忙であることが多いという点でしょう。

転職する際は業界の情報を事前に収集した上で、メリット・デメリットをよく比較し、慎重に決定するのがお勧めです。

IT業界の職業13選


IT業界にはプログラマー・システムエンジニア・Webデザイナーなど多くの職種があるため、転職先の決定に迷う人もいるのではないでしょうか。

次からは、IT業界の13の職種について紹介していきます。各職種の特徴を理解して、後悔のない転職を目指しましょう。

1:セールスエンジニア

IT業界の職種と言えばエンジニアを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、営業職もIT業界に必要な仕事です。

IT業界の転職先の1つに「セールスエンジニア」があります。セールスエンジニアとはITの専門知識を有する営業職で、顧客に対して自社商品の有用性や導入のメリットなど、専門家の立場でセールスを担う職種です。

セールスエンジニアになるには技術的なバックグラウンドが欠かせないため、何らかの技術職を経験した後に、セールスエンジニアに転職することも可能です。

2:システムエンジニア

システム開発には段階があり、要件定義・設計・プログラミング・運用・保守に大きく分けられます。システムエンジニアは、システム開発を全工程にわたり管理する役割として欠かせない職種です。

システムエンジニアに求められるスキルは、複雑なシステムを設計する技術力に加えて、顧客の要望を正しく聞き取るヒアリング力や、チームをまとめるマネジメント力などが挙げられます。

システムエンジニアに任される仕事の範囲は企業によって多少異なるため、転職の際は事前によく確認しておくと良いでしょう。

3:サーバーエンジニア

ITサービスの提供に必要不可欠なサーバーをゼロから設計・構築し、運用後の保守も担っているのが、サーバーエンジニアです。

サーバーエンジニアは、サーバー上で動作するOSを含むアプリケーションの知識のほか、ネットワークに関する知識も求められるため、IT業界の中でも高度な専門職の1つと言えるでしょう。

サーバー開発ができるエンジニアは不足しており、サーバーエンジニアの需要は現在高い状況です。しかし保守や運用しかできない場合需要はそれほど高くないため、転職時は自分のスキルを踏まえた検討が必要でしょう。

4:ネットワークエンジニア

ネットワークの設計・構築から運用・保守までを担うのが、ネットワークエンジニアです。近年のIoTとクラウドの普及から、ネットワークインフラを構築できるスキルはIT業界の中でも需要が高く、転職先の選択肢も多いでしょう。

ネットワークエンジニアには、IPアドレスの振り分けやゲートウェイ配置などの論理設計や、実際の機器の配置などをする物理設計のスキルが必要です。ネットワークを扱うことから、セキュリティの知識も欠かせないでしょう。

5:プログラマー

プログラマーは、代表的なIT業界の職種の1つです。プログラマーは、システムエンジニアが作成した設計に基づいてシステムを作り上げたり、アプリケーションの開発を担うのが主な仕事となります。

IT業界によって主流となるプログラミング言語は異なり、AI・機械学習分野ではPython、大規模システム開発ではJavaが好まれるといった具合です。自分が転職したい業界の需要に合ったプログラミング言語を習得する必要があるでしょう。

6:Webディレクター

IT業界はWeb・アプリ系、エンジニア系、マーケティング系などに大別されますが、そのうちWeb・アプリ系の総指揮官的役割を担うのがWebディレクターです。

Webディレクターは制作するWebサイトの目的を達成できるように、スケジュールや予算、進行などを管理します。

Webディレクターは、プロジェクト管理能力や顧客に企画を提案する能力に加え、大量のドキュメントをきめ細やかに作成する能力や、Webマーケティングのスキルも求められるでしょう。

7:Webデザイナー

Webデザイナーの仕事は、Webサイトの見た目をデザインするだけではありません。ユーザーの使い勝手の良さも考慮して、構成やレイアウトを決定することも仕事です。

Webデザイナーはユーザビリティを考慮したデザインセンスのほか、Web作成に必要なツールを使用するスキルや、SEO・Webマーケティングの基礎知識も有していると良いでしょう。

HTML・CSSを使用したコーディングスキルも身に付けていると、転職の際に有利になる可能性が高くなります。

8:Webマーケター

マーケティングとは、企業利益を上げるための販売戦略のことを指します。Webマーケターとは、Webを利用してマーケティングする専門家です。

Webマーケターに転職を希望する人は、SEO施策による検索エンジンの最適化の知識やWebコンテンツの企画スキルのほか、Webサイト構築スキルもあると良いでしょう。

膨大なデータの中から必要なものを取捨選択し、情報を分析できる能力も必要となります。社会の変化に柔軟に対応し、臨機応変な振る舞いができると良いでしょう。

9:データサイエンティスト

データには新たなビジネスチャンスが隠されていますが、分析・解釈できなければデータも無駄となってしまいます。

データサイエンティストはビッグデータを分析し、その結果からビジネスに活用できる有益な情報を抽出するのを仕事としている専門家です。

データサイエンティストにとって、問題を察知して分析する力、データを収集して分析する力が主に必要とされるスキルになります。データ分析が得意でIT業界への転職を考えている人は、データサイエンティストも選択肢に入れると良いでしょう。

10:運用オペレーター

運用オペレーターとは、サーバーやネットワークシステムが何らかのトラブルで停止してサービスの提供が中断されるのを避けるため、システムの運用を監視することをメインの仕事とする人のことを指します。

運用オペレーターはIT業界に入りたての人が最初に携わることが多い仕事で、将来エンジニアとしてキャリアアップするための最初のステップと言えるでしょう。

未経験でIT業界への転職を考えている人は、運用オペレーターからキャリア形成を始めても良いかもしれません。

11:ハードウェアエンジニア

ハードウェアエンジニアの仕事は、コンピューター本体やその周辺機器であるハードウェアの開発・設計です。ハードウェアエンジニアとして転職する場合、周辺機器や半導体のメーカーが主な就職先に含まれます。

IT業界は発展が目覚ましいですが、ハードウェア関連の商品も日々進化を遂げています。ハードウェアエンジニアは最新の情報を取り入れて設計するだけではなく、セキュリティにも配慮した商品開発が必要でしょう。

12:組込みシステムエンジニア

機器にある特定の機能を実装するためのシステムを組込み系と呼びますが、組込み系の制御システムを開発・構築するのが組込みシステムエンジニアの仕事です。組込み系は家電製品や自動車といった身近なものから、工場・産業ロボットなどにも活用されています。

組込みシステムエンジニアが使用するプログラミング言語は、C、C++、Javaが主なものです。未経験者が組込み系に転職したい場合、これらの言語を習得していることで、企業から評価される可能性があるでしょう。

13:ITコンサルタント

コンサルタントとは、ある特定分野の専門知識と経験に基づいて顧客の抱える問題の相談に応じたり、アドバイスすることを生業とする人のことを指します。ITコンサルタントは、ITを専門としてコンサルティング業務に従事します。

ITコンサルタントはビジネスの視点を持つのと同時に、技術に関する知識も十分に有していないと成立しない仕事です。論理的思考力・ヒアリング力・提案力も、ITコンサルタントとして必須のスキルに含まれるでしょう。

IT業界に転職する時に有利な4つのスキル・資格


IT業界は現在のところ慢性的な人手不足で、未経験でも求人が多数出ています。しかしまったくの未経験よりは、ある程度エンジニアとしてのバックグラウンドがある人を雇用したいと考える企業は多いでしょう。

エンジニアとして経験年数が少ない人や、IT業界がまったくの未経験の人でも、IT関連の資格があったりスキルの保有が証明できれば、転職時に有利になる可能性があります。

1:基本情報技術者試験

基本情報技術者試験は、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)によって年2回実施されている国家試験です。試験では、エンジニアとして身に付けているべきITの基礎知識・技能が幅広く問われます。

IT業界未経験者が応募してきた場合、企業にとっては活躍できる人材かどうか評価するポイントが乏しいため、未経験者は転職が難しくなるかもしれません。

基本情報技術者試験に合格していれば、そのレベルの知識・技能を持つ人材だと証明できるため、転職時に有利になることが期待できるでしょう。

2:コミュニケーション能力

コミュニケーション能力は社会人に必須のスキルの1つで、エンジニアにとっても例外ではありません。顧客と直接接する機会がない業務であっても、チーム内での円滑なコミュニケーションは欠かせないでしょう。

IT業界では、相手から必要な情報を引き出せるヒアリング力・相手に必要なメッセージを伝えられるプレゼン力が、主に必要となるコミュニケーション能力です。

コミュニケーション能力は一朝一夕ではなかなか身に付かないので、日々の努力を積み重ねていくと良いでしょう。

3:向上心・探求心

IT産業は、変化のスピードが速い業界です。市場のニーズに対応するため、新しいことや社会の変化に鋭い感性を持つことが必要でしょう。

エンジニアは現状に満足するのではなく、向上心・探求心を持って常に成長し続けていくことが求められます。

日々の仕事に加えて、プライベートでもスキルアップのために努力することが苦ではない人が、エンジニアに向いているでしょう。

4:CCNA

CCNA(Cisco Certified Network Associate)は、ネットワーク関連機器大手のシスコシステムズ合同会社によって提供されているベンダー資格です。

CCNAを取得していることで、ネットワーク関連の基礎知識に加え、シスコシステムズの製品に対する知識があることを証明します。

ネットワークエンジニアに転職したい人にとって、CCNAの取得は企業に対する良いアピールになるでしょう。

IT業界に向いている人の特徴とは?


IT業界に向いている人は、問題解決能力が高く、業務を完遂させるという責任感を持っていることに加え、変化に対応できる柔軟性の高い人が該当するでしょう。

しかし、パソコン・プログラミング・データ分析などITに関連するものが好きで、興味を持って学習を継続できることが何よりも大切な素質であると言えます。

周囲と良い人間関係を築ける協調性が高い人も、IT業界に向いている人材でしょう。

自分に合う職種を見つけてIT業界へ転職しよう


一口にIT業界と言ってもその業種は多種多様で、プログラマーなどのエンジニア系、WebデザイナーなどのWeb・アプリ系から、営業能力も必要なセールスエンジニアもIT業界に含まれます。

IT業界に転職を考えている人は、自分の興味のある業種やキャリアパスをよく検討した上で、ベストな選択ができるように事前にしっかり準備しておくと良いでしょう。

ITエンジニアへのキャリアチェンジならキャリアチェンジアカデミー

この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニア
未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞

おすすめの動画

  • 【未経験からIT業界へ転職するなら】相談窓口とスキルの獲得はここで解決!IT転職が一気に有利に!【キャリアチェンジアカデミー】

  • 【費用一切不要】未経験からIT業界へ転職するならまずはここへ相談!【キャリアチェンジアカデミー】

  • 【何のエンジニアになれるのか?】未経験からITエンジニアを目指すとこんな道がある【キャリアチェンジアカデミー】