2022/06/16

AWSのコスト配分タグとは何か?その利用方法や注意点を解説!

 
  

AWSのコスト配分タグとは?

AWSのコスト配分タグとは、コストエクスプローラーやコストと使用状況レポートなどの明細で、タグ別に料金を表示するために利用されるラベルです。

これをEC2のインスタンスなどのリソースに対して付与することで、リソースを任意に分類して利用料金を把握することができます。

同一アカウント内に複数の支払先が存在する場合には、コスト配分タグを利用して、リソースの利用者とその料金を可視化して、わかりやすくしておくことをおすすめします。

リソースにタグ付けする目的

タグとは、EC2のインスタンスなどに代表されるリソースの管理を容易にするために、使用されるメタデータです。

「何の目的で利用されるリソースであるか」、「所有者は誰か」、「どの環境で使用されているか」などの情報を付与することによって、リソースを分類、識別します。

同じ型のリソースをたくさん運用しているようなケースでは特に有用ですので、業務を効率的に進める上で、どのようなタグをつけるかが、とても重要になります。

なお、1つのリソースに対して付与できるタグの最大数は50個となっています。

コスト配分タグの種類

コスト配分タグには、AWSが生成するAWS generated tagsとユーザー定義タグが存在します。

AWS generated tagsはAWSが自動的に生成するもので、ユーザー定義タグは後述のタグキーとタグ値を自分で設定することで、リソースにオリジナルのタグを付与することができ、リソースを独自の切り口で分類、可視化することができます。

タグの構成(タグキーとタグ値)

コスト配分タグに限らず、AWSで使用されるタグはキーと値で構成されます。

タグキーとはタグをリソース内で一意に識別するために使用されるものであり、そのタグの名称でもありますのでわかりやすい名前をつけましょう。タグ値は文字通りそのタグの内容を示すものを入力しましょう。

例えば所有者が営業部であることを示すタグであれば、タグキーには「Owner」と設定して、タグ値には「Sales Dept」と設定します。

なお、担当者がその場で勝手にタグキーや値を決めるのは混乱や効率低下の元となりますので、あらかじめ一貫性のある命名規約を用意しておき、それを遵守する体制を作っておくのが良いでしょう。

コスト配分タグの注意点

サービスによっては、コスト配分タグをサポートしていない場合もあるので、注意が必要です。

コスト配分タグがサポートされていないサービスのリソースに対しても、コスト配分タグを付与することは可能ですが、コストエクスプローラーなどで表示することはできません。

対象のリソースが、コスト配分タグに対応しているかどうかを公式ドキュメントなどで確認しておきましょう。

リソースにタグを追加・削除するには

ユーザー定義のコスト配分タグを利用するための第一歩として、対象のリソースに対して、タグを追加する方法を解説します。

タグの追加方法として、単一のリソースに対してタグを追加する方法と、複数のリソースに対してまとめてタグを追加する方法があります。以下の項目でそれぞれの手順と利用する場面について解説します。また、タグの削除方法についてもあわせて解説しておきます。

タグの追加・削除方法はAWSの各サービスごとに異なりますが、大まかな流れは同じですので、ここでは、AWSの代表的なサービスであり、当初からコスト配分タグに対応していたサービスである、EC2のリソースへのタグ追加を例にとって手順を解説していきます。

なお、タグキーに指定できる文字数は最大128文字、タグ値は最大256文字となっています。大文字と小文字は区別され、使用できる文字は各サービスごとに異なります。

単一のリソースにタグを追加するには

ここでは、単一のリソースに対してタグを追加する方法を解説します。

この手順は、すでにある営業部のコスト配分タグを、新しいEC2のインスタンスに追加するような場合などに利用すると便利でしょう。

  • Amazon EC2 コンソールを開きます。
  • ナビゲーションバーからリージョンを選択します。
  • ナビゲーションペインでリソースタイプを選択します。
  • リソースリストからタグを追加したいリソースを選択して、「タグ」タブを選択します。
  • タグキーとタグ値を入力します。
  • 内容を確認して「保存」を選択すればタグ追加は完了です。

単一のリソースからタグを削除するには

ここでは、単一のリソースから不要なタグを削除する方法を解説します。

この手順は、あるEC2のインスタンスのコスト配分タグを営業部のものからマーティング部のものへ付け替える場合などに利用すると便利でしょう。

  • Amazon EC2 コンソールを開きます。
  • ナビゲーションバーからリージョンを選択します。
  • ナビゲーションペインでリソースタイプを選択します。
  • リソースリストからタグを削除したいリソースを選択して、「タグ」タブを選択します。
  • 「タグ管理」を選択します。
  • 削除したいタグの右側にある「タグを削除」を選択します。
  • 内容を確認して「保存」を選択すればタグ削除は完了です。

複数のリソースにタグをまとめて追加するには

ここでは、複数のリソースに対してタグを追加する方法を解説します。

この手順は、新規にコスト配分タグを付与する時などに利用すると便利です。ただし、意図しないリソースにタグを追加してしまうと、混乱の元になりますので、十分に注意しましょう。

  • Amazon EC2 コンソールを開きます。
  • ナビゲーションバーからリージョンを選択します。
  • ナビゲーションペインで「タグ」を選択します。
  • コンテンツペイン上部の「タグの管理」選択します。
  • 「フィルター」に任意の検索キーを入力してリソースを検索します。
  • リソースリストから、対象となるリソースのチェックボックスをオンにします。
  • リソースリストの下部にある「タグの追加」欄にタグキーとタグ値を入力します。
  • 内容を確認して「タグの追加」を選択すればタグ追加は完了です。

複数のリソースにタグをまとめて削除するには

ここでは、複数のリソースからタグを削除する方法を解説します。

この手順は、既存のコスト配分タグを廃止する時などに利用すると便利です。ただし、意図しないリソースにタグを削除してしまうと、混乱の元になりますので、十分に注意しましょう。

  • Amazon EC2 コンソールを開きます。
  • ナビゲーションバーからリージョンを選択します。
  • ナビゲーションペインで「タグ」、「タグの管理」を選択します。
  • 歯車型のアイコンを選択して、使用中のタグを表示します。
  • 「フィルター」に任意の検索キーを入力してリソースを検索します。
  • リソースリストから、対象となるリソースのチェックボックスをオンにします。
  • リソースリストの下部にある「タグの削除」欄にタグキーを入力します。
  • 内容を確認して「タグの削除」を選択すればタグ削除は完了です。

追加したタグをコスト配分タグとして有効化するには

前述の手順で追加したタグを、コスト配分タグとして有効化する方法解説します。

タグは追加しただけでは、コスト配分タグとして機能せず、コストエクスプローラーなどにも反映されません。後述の手順に従って、コスト配分タグとして有効にする必要があります。

また、設定がすぐに反映されない場合があり、タグが有効化するまで最大で24時間かかることがあります。

なお、コスト配分タグの有効化が行えるのは、請求を管理するアカウントに限られます。

  • 請求管理アカウントでAWS マネジメントコンソールにサインインします。
  • 請求ダッシュボードを開きます。
  • ナビゲーションペインの「コスト配分タグ」を選択します。
  • 有効化するタグを選択します。
  • 「Activate」を選択すれば有効化は完了です。

AWSのコスト配分タグを利用して利用料金を可視化しよう!

コスト配分タグを利用すれば、AWSの請求情報を可視化することができます。

各リソースにコスト配分タグを付与するのは、設計などを慎重に行う必要もあり、手間のかかる作業ではありますが、AWS運用のコスト管理の上では必須と言って良いものですので、少しでも必要を感じたら必ず実施しておきましょう。

ITエンジニアへのキャリアチェンジならキャリアチェンジアカデミー

この記事の監修者・著者

株式会社オープンアップITエンジニア
株式会社オープンアップITエンジニア
未経験からITエンジニアへのキャリアチェンジを支援するサイト「キャリアチェンジアカデミー」を運営。これまで4500人以上のITエンジニアを未経験から育成・排出してきました。
・AWS、salesforce、LPICの合計認定資格取得件数:2100以上(2023年6月時点)
・AWS Japan Certification Award 2020 ライジングスター of the Year 受賞

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